(株)日山
普段着の気楽さもあれば、よそ行きの品格もある。銀座や亀戸など各店がそれぞれの地域の特徴に合わせて幅広い層へ多くの表情を持つ㈱日山(村上宗郎社長・中央区日本橋人形町)の小売店。すき焼き店としても広く名を馳せ、食肉の楽しみを多彩に演出する。その原点である人形町本店では、大正時代から続く食肉文化の粋を過去から現在へ伝え、未来へと発信し続けている。
店主より一言
店舗情報
連絡先 |
TEL:03-3666-5257 FAX:03-3668-3266 |
---|---|
住所 | 〒103-0013 中央区日本橋人形町2-5-1 |
URL | hiyama-gr.com |
店舗PR、お知らせなど
小売店はレトロ感もある落ち着いた雰囲気で 精肉の陳列も美しく=同社提供
江戸の風情を今に伝える家屋や店舗が並ぶ下町らしさを持ちながら、一つ通りを超えただけでオフィス街の表情に。一度でいくつも目に飛び込んでくる飲食店の看板も、色とりどりに町を飾る。
様々に賑わう日本橋人形町で、ふと目を引かれる存在感を持つ同社の小売店とすき焼き店。時代を思わせる木造瓦葺きの店舗と、メス牛と瓢箪をイメージした同社ロゴが躍る藍染の暖簾が、道行く人へお店の歴史を語りかける。小売店は昔懐かしい佇まいで心地よい。
様々に賑わう日本橋人形町で、ふと目を引かれる存在感を持つ同社の小売店とすき焼き店。時代を思わせる木造瓦葺きの店舗と、メス牛と瓢箪をイメージした同社ロゴが躍る藍染の暖簾が、道行く人へお店の歴史を語りかける。小売店は昔懐かしい佇まいで心地よい。
選び抜かれた精肉が整然とショーケースに並ぶ=同社提供
町と顧客とともに
創業者の村上禎一氏が中学卒業後、養子に入った旅館「日和亭」の「日」、所在地の広島県福山市の「山」から一字ずつ取ったのが「日山」の由来。大正元年に養家を離れて独立し、福山、岡山、笠岡、尾道、今治で食肉店の出店を経て、「江戸の真ん中で商売がしたい」との想いから広島と東京を行き来し、昭和初期に現在の地で営業を開始した。
各店舗には、東京食肉市場で選び抜かれた精肉が色鮮やかで艶を備えながら整然と並ぶ。生産者との強いつながり、仲卸・日山畜産の目利き、同社のブランド力を発揮した売り場だ。
牛肉は和牛を中心とし、すき焼き用、しゃぶしゃぶ用のスライスは、丁寧にラップで包みショーケースへ。サシや光沢が美しいだけでなく、旨味がしっかり乗って、脂はさっぱりとした味が特徴で、格付けや産地のみにとらわれない長い歴史に培われた目利きにより選ばれたものばかり。
豚肉も見逃せない。黒豚、白豚とそろえる中、最近は自社ブランドとして「日山豚」を押し出す。三元豚が主流の現在、掛け合わせをする前の中ヨークシャーの原種に注目し、味がしっかりしていることに加え、昭和の頃に食べたどこか懐かしい風味を持つ。
こうした精肉を求めて、人形町の近隣の主婦や会社員などが足を運ぶ。中でも地域に住む顧客は、歴史を持つ町らしく何代にもわたって暖簾をくぐっている。最近はインバウンドで外国人観光客のすき焼き店利用も目にすることが多くなった。
他業界で目にする「爆買い」が目的ではなく、複数の来日経験がある観光客が純粋に日本の食文化を体験するために来店。酒席のような楽しみ方はせず、伝統的な日本の和室と料理を体験することに重きを置いているお客が多い。コロナ後は順調に回復傾向にある。
近隣には同業の「人形町今半」もあり、上質な和牛の販売とすき焼き店として町を代表する看板を掲げていることから、周囲の飲食店も含めて「一緒に和牛を盛り上げていきたい」と経営企画室長の宮本拓さんはエールを送る。
創業者の村上禎一氏が中学卒業後、養子に入った旅館「日和亭」の「日」、所在地の広島県福山市の「山」から一字ずつ取ったのが「日山」の由来。大正元年に養家を離れて独立し、福山、岡山、笠岡、尾道、今治で食肉店の出店を経て、「江戸の真ん中で商売がしたい」との想いから広島と東京を行き来し、昭和初期に現在の地で営業を開始した。
各店舗には、東京食肉市場で選び抜かれた精肉が色鮮やかで艶を備えながら整然と並ぶ。生産者との強いつながり、仲卸・日山畜産の目利き、同社のブランド力を発揮した売り場だ。
牛肉は和牛を中心とし、すき焼き用、しゃぶしゃぶ用のスライスは、丁寧にラップで包みショーケースへ。サシや光沢が美しいだけでなく、旨味がしっかり乗って、脂はさっぱりとした味が特徴で、格付けや産地のみにとらわれない長い歴史に培われた目利きにより選ばれたものばかり。
豚肉も見逃せない。黒豚、白豚とそろえる中、最近は自社ブランドとして「日山豚」を押し出す。三元豚が主流の現在、掛け合わせをする前の中ヨークシャーの原種に注目し、味がしっかりしていることに加え、昭和の頃に食べたどこか懐かしい風味を持つ。
こうした精肉を求めて、人形町の近隣の主婦や会社員などが足を運ぶ。中でも地域に住む顧客は、歴史を持つ町らしく何代にもわたって暖簾をくぐっている。最近はインバウンドで外国人観光客のすき焼き店利用も目にすることが多くなった。
他業界で目にする「爆買い」が目的ではなく、複数の来日経験がある観光客が純粋に日本の食文化を体験するために来店。酒席のような楽しみ方はせず、伝統的な日本の和室と料理を体験することに重きを置いているお客が多い。コロナ後は順調に回復傾向にある。
近隣には同業の「人形町今半」もあり、上質な和牛の販売とすき焼き店として町を代表する看板を掲げていることから、周囲の飲食店も含めて「一緒に和牛を盛り上げていきたい」と経営企画室長の宮本拓さんはエールを送る。
外国人観光客にも人気のすき焼きを通して 日本の和牛を世界へ=同社提供
和牛文化を世界へ
新たな挑戦も始まる。来年には麻布台ヒルズに新店をオープンする。海外赴任や国際的なビジネスワーカーが多い地域の特徴をつかみ、海外を行き来する顧客に向けて日本の食肉文化の発信が狙いだ。品数も豊富にすることはもちろん、ラム肉を扱うなど、他国の食肉文化も意識した品揃えにする。
店舗内は加工場が見えるように設計。食肉のカットなど職人の技術だけでなく、衛生管理の仕組みなど、食肉販売に関して細かい配慮を隅々まで行き渡らせている様子を理解してもらう。
さらに、今月15日には北海道ニセコですき焼き割烹を委託運営で展開。海外のスキーヤーが多く集まるリゾート地で、伝統的な日本料理の一つであるすき焼きを広く世界へ伝えていこうと取り組んでいる。
こうした海外を視野に入れた展開は、最近のインバウンドの流行に乗ってのことではない。実は創業者の「日本の日山にして世界の日山に」との想いを形にしたものだ。
グループ会社の日山畜産の行動規範には「ニッポンの肉屋」を掲げ、3つの決意を述べている。美味しい和牛を育て、人々の喜びに変える。和牛は笑顔を届ける食材で、命に感謝する。そして、和牛が培ってきた日本の食文化を深く思い、その価値を世界に広め、未来へとつなげていく。まさに日本の食への想いを体現した姿となっている。
「お祝い事をすき焼きで、という文化を残したい」と宮本さん。
生産者から食卓まで、様々な「食の物語」が込められた牛肉が踊るすき焼き鍋の湯気の向こうには、新しい時代と世界への扉が待っている。
【「東京食肉新報」2023年(令和5年)12月号掲載】
新たな挑戦も始まる。来年には麻布台ヒルズに新店をオープンする。海外赴任や国際的なビジネスワーカーが多い地域の特徴をつかみ、海外を行き来する顧客に向けて日本の食肉文化の発信が狙いだ。品数も豊富にすることはもちろん、ラム肉を扱うなど、他国の食肉文化も意識した品揃えにする。
店舗内は加工場が見えるように設計。食肉のカットなど職人の技術だけでなく、衛生管理の仕組みなど、食肉販売に関して細かい配慮を隅々まで行き渡らせている様子を理解してもらう。
さらに、今月15日には北海道ニセコですき焼き割烹を委託運営で展開。海外のスキーヤーが多く集まるリゾート地で、伝統的な日本料理の一つであるすき焼きを広く世界へ伝えていこうと取り組んでいる。
こうした海外を視野に入れた展開は、最近のインバウンドの流行に乗ってのことではない。実は創業者の「日本の日山にして世界の日山に」との想いを形にしたものだ。
グループ会社の日山畜産の行動規範には「ニッポンの肉屋」を掲げ、3つの決意を述べている。美味しい和牛を育て、人々の喜びに変える。和牛は笑顔を届ける食材で、命に感謝する。そして、和牛が培ってきた日本の食文化を深く思い、その価値を世界に広め、未来へとつなげていく。まさに日本の食への想いを体現した姿となっている。
「お祝い事をすき焼きで、という文化を残したい」と宮本さん。
生産者から食卓まで、様々な「食の物語」が込められた牛肉が踊るすき焼き鍋の湯気の向こうには、新しい時代と世界への扉が待っている。
【「東京食肉新報」2023年(令和5年)12月号掲載】
素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ