2020/10/16
㈱近江屋牛肉店(中央区支部)
「三方良し」の精神で工房新設
精肉店の隣にオープンした「ロースト肉工房」には出来立てのロースト肉が。寺出昌弘社長の横にある年季の入った釜はお店の歴史を語るように鎮座する
とても勇気のいる決断だった。インバウンドの影響もあって道一杯に観光客などで満ちていた築地場外市場は、いまだコロナ禍で当時ほどの賑わいを回復していない。そうした中、㈱近江屋牛肉店の寺出昌弘社長は、店舗の横に新しく「ロースト肉工房」を9月からオープン。店頭ではローストされた鶏肉が吊るされ、道行く人の目を引いている。厳しい環境下で、敢えて攻めの展開に挑んだ。
きっかけは隣のパン屋の閉店だった。先代が残した「隣が空いた時は、伸ばすチャンス。よく考えて、借金してでもやる時はやりなさい」との言葉に奮起。こうした困難の中でこそ普段できないことをと取り組んだのが、この工房だ。
新たな展開は、お店のためだけではない。築地場外市場商店街振興組合の副理事長も務めてきた寺出さんにとり、お店の原点である近江商人の「三方良し」の精神で築地全体を盛り上げるための決断でもあった。商売は社会貢献であり、築地あっての近江屋。その思いから築地発展へのエネルギーとなり、周りも飛躍していくことを願って一歩踏み出した。
「苦しいけどやろう! 決断しなければ前へ進めない」
新しい精肉店の形も模索する。レシピサイトやジム、飲食店、渋谷の109とコラボして、ライブ配信や講演会などを企画し、お肉の魅力を発信。近江牛発祥の滋賀県の魅力をPRする拠点の役割も担う。SNSも活用して、積極的に商品やお店をアピールしてファン作りに取り組んでいる。
「総合的に肉を使って、世界中をワクワクさせたい。こちらもワクワクがないと」
「事を作る」を意識し、こうした周りの人を巻き込んだ取り組みを通して、多角的に精肉店の可能性を創造するため、さまざまに手を打ち続ける。
とても勇気のいる決断だった。インバウンドの影響もあって道一杯に観光客などで満ちていた築地場外市場は、いまだコロナ禍で当時ほどの賑わいを回復していない。そうした中、㈱近江屋牛肉店の寺出昌弘社長は、店舗の横に新しく「ロースト肉工房」を9月からオープン。店頭ではローストされた鶏肉が吊るされ、道行く人の目を引いている。厳しい環境下で、敢えて攻めの展開に挑んだ。
きっかけは隣のパン屋の閉店だった。先代が残した「隣が空いた時は、伸ばすチャンス。よく考えて、借金してでもやる時はやりなさい」との言葉に奮起。こうした困難の中でこそ普段できないことをと取り組んだのが、この工房だ。
新たな展開は、お店のためだけではない。築地場外市場商店街振興組合の副理事長も務めてきた寺出さんにとり、お店の原点である近江商人の「三方良し」の精神で築地全体を盛り上げるための決断でもあった。商売は社会貢献であり、築地あっての近江屋。その思いから築地発展へのエネルギーとなり、周りも飛躍していくことを願って一歩踏み出した。
「苦しいけどやろう! 決断しなければ前へ進めない」
新しい精肉店の形も模索する。レシピサイトやジム、飲食店、渋谷の109とコラボして、ライブ配信や講演会などを企画し、お肉の魅力を発信。近江牛発祥の滋賀県の魅力をPRする拠点の役割も担う。SNSも活用して、積極的に商品やお店をアピールしてファン作りに取り組んでいる。
「総合的に肉を使って、世界中をワクワクさせたい。こちらもワクワクがないと」
「事を作る」を意識し、こうした周りの人を巻き込んだ取り組みを通して、多角的に精肉店の可能性を創造するため、さまざまに手を打ち続ける。
調理はコンパクトな工房で。筆文字のロゴが印象的
高さ約150㌢の樽型で年季の入った釜が店頭に鎮座する。50年前から使っていたロースト用のもので、同店のタイムカプセルのような存在だ。手間暇かけてじっくりロースト肉を作ってきたことを無言で語っているかのよう。現在は工房内で一度に5㌕のロースト肉を作れる真新しい釜が活躍する。
炭火により朝から焼いていく肉は、じんわりと火を入れ、周りはカリッと、中はジューシーに。「最高の肉を最高の製造法で提供する」と、寺出さん。ローストされた肉は、丁寧に作ってあってひと味違うと、多くの顧客から好評だ。
高さ約150㌢の樽型で年季の入った釜が店頭に鎮座する。50年前から使っていたロースト用のもので、同店のタイムカプセルのような存在だ。手間暇かけてじっくりロースト肉を作ってきたことを無言で語っているかのよう。現在は工房内で一度に5㌕のロースト肉を作れる真新しい釜が活躍する。
炭火により朝から焼いていく肉は、じんわりと火を入れ、周りはカリッと、中はジューシーに。「最高の肉を最高の製造法で提供する」と、寺出さん。ローストされた肉は、丁寧に作ってあってひと味違うと、多くの顧客から好評だ。
豚と鶏の「炭火つるし窯焼き」。お試しセットが売れ筋
ロースト肉は「炭火つるし釜焼き」と銘打ち、豚肉と鶏肉が真空パックになって売り場を彩る。2種類の肉を袋詰めした「お試しセット」は、違った味がお得に楽しめると売れ筋に。
同時に、お弁当も販売。カルビ弁当に豚生姜焼き弁当と、精肉店だからできる高品質の肉で作った料理が詰まった一品だ。出来立てで一番おいしい状態で食べられるとあって需要があり、すぐに食べられるよう工房の横にはイートインも用意してある。
それに加えて「テイクアウト」「量り売り」「手土産・通信販売」「貸しスペース」と、「5つの販売方法」を掲げる。コロナ禍で消費者が家庭で食事を楽しむ傾向を見て寺出さんは、消費者にはこうした複数の選択肢が必要と思い、新しい精肉店の可能性をさらに広げようと挑戦中だ。
ロースト肉は「炭火つるし釜焼き」と銘打ち、豚肉と鶏肉が真空パックになって売り場を彩る。2種類の肉を袋詰めした「お試しセット」は、違った味がお得に楽しめると売れ筋に。
同時に、お弁当も販売。カルビ弁当に豚生姜焼き弁当と、精肉店だからできる高品質の肉で作った料理が詰まった一品だ。出来立てで一番おいしい状態で食べられるとあって需要があり、すぐに食べられるよう工房の横にはイートインも用意してある。
それに加えて「テイクアウト」「量り売り」「手土産・通信販売」「貸しスペース」と、「5つの販売方法」を掲げる。コロナ禍で消費者が家庭で食事を楽しむ傾向を見て寺出さんは、消費者にはこうした複数の選択肢が必要と思い、新しい精肉店の可能性をさらに広げようと挑戦中だ。
「自然に入ると考えることを覚える。それは社会も一緒」と、少年時代はボーイスカウトで自らを鍛えた寺出さん。コロナ禍という未曽有の困難へ立ち向かうアイデアが次々と湧いてくるのは、自然の厳しさを乗り越える術を身に付けてきた知恵がそうさせるのかもしれない。


素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ