東京都食肉事業協同組合は、東京都内のお肉屋さん紹介を行っています。おいしくお肉を食べようよ!

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お知らせ

2021/8/15

2021年夏期座談会
コロナ禍にこそお客をつかむ

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 コロナ禍は、いまだ終息の兆しが見えない。販売方法や商品の品ぞろえ、お客との接し方、店舗のコロナ対策など、急激な変化を強いられる時代にある。人との接触が難しい中で対面販売が長所の精肉店は、コロナ禍で生み出された新たな環境から、新しい発想が求められそうだ。今回は「コロナ後の商売」をテーマに、コロナ禍で攻めの展開を進めて注目を集める組合員4名に、そのアイデアと今後の展望を聞いた。

参加者

寺出 昌弘 氏 (中央区支部)

藤井 勲 氏(墨田区支部)
川名 海男 氏(杉並支部)
布川 勝一 氏(大田区支部)
深谷 隆浩 氏(多摩西支部・広報部長)
司会:堀内 俊宏 広報部副部長

座談会1

㊧布川勝一氏 ㊨寺出昌弘氏


 堀内 コロナになる前と後の変化について、お客さん、購買量など、顕著な例をお話しください。

 布川 昨年の2~3月に感染が拡大したあたりから、お客さんが殺到しました。スーパーだと混雑するので、それを避けたお客さんが来られたような気がします。それにテイクアウト商品、お惣菜やお弁当の伸びがいまだに続いています。やはり、専門店としてはあそこでお客さんのハートをガッチリ掴んでいればよかったのに、なかなかそれができなかった。それが反省点です。それはなぜか。我々はスーパーと同じもので対抗しようとしてはダメなんですよね。物を売ると言っても、同じ物を売っていては意味がない。専門店としての魅力がないと、これからも乗り越えられないと思います。

 「コロナ後の商売」という今回のテーマですが、コロナはまだまだ続いて、「ウイズコロナ」という考え方という考え方でお話しますと、5~10年先で変わるものがこの1~2年で急激に変化してしまった。特に自動車業界も電気にしてガソリンを使うものは生産しない。お客さんも取り寄せをインターネットを利用するようになった。それに対抗して、我々は何をするべきか。そこを考えた方が良いと思います。一つのサービスだけでなく、お客さんにとって、例えば販売員に何か魅力があればそれを目当てに来るんです。そういう魅力を持った人材の育成も含めて、これからは考えていく必要があると思います。

 藤井 コロナが始まってから、お店のやり方は変わりました。去年は牛肉の価格が落ちたせいで学校給食など国の事業があって、ある程度お肉屋さんも少しは消費が動きましたが、ことしはそれがないということで、外食専門の卸売り業がだいぶ痛手があります。小売りも家族単位の消費は結構出ているんですけど、イベントが中止になって大口の受注がないので、その分の売り上げが減っています。うちも小売りと卸とやっていて、では何をやろうかといった時に、ネット販売をこれからは力入れようと。なかなか難しいですが、とりあえずうちの店に来ている小売りの顧客に宣伝して贈答用などをアピールしながら販売をしています。大手ネット販売サイトだと、まとめて注文が入っても対応ができないので、フェイスブックなどで少しずつ始めています。

座談会2

㊧川名海男氏 ㊨藤井勲氏


  川名 地域のイベントが毎月1~2回、年間を通して多く、そこで焼き鳥や焼きそばなどを作って販売していました。それがほとんど止まってしまい、杉並区では区長がイベントをぜひやろうと言うので、参加しました。11月に行われたイベントでは、2日間で10万人も集まったので、コロナ感染拡大は大丈夫かと思いましたが、影響はなかったようです。また今年もやるので、今準備しています。

 また、お弁当が売れ始めました。どんどん増えて、倍以上です。値段的に安くすればいいというのではなく、肉屋らしい良い弁当を出せば売れると確信しましたね。以前は官公庁に納めていましたが、コンビニとの競争もあってそれほどでもない数でした。それが、小売りの店で、こんなに売れるとは思いませんでした。

 寺出 うちは築地場外市場という、少々特殊な場所にあります。築地と言いますと、ここ5年までは観光客と外国人の方のインバウンドで、土曜日は大体全体の4万人が来ている中で、ほぼ8割が外国人でした。銀座も近いし、月島もありますし、日本橋も近いという立地ですので。どちらかというと肉というと生肉なので、観光客が買わない分野です。目の前でいろいろなものを焼いたりするようなお店が多いですが、私の中でそれをやったら商売ぶれちゃうよというところもありました。背に腹は代えられないと、その方に行くお店もあり、落下傘のように来たお店はイチゴ大福を出したりする観光客相手のものが多くなって、「本物」が無くなりつつある現状でした。コロナ禍でもう30店舗ほどなくなっていますし、そういったお店からどんどん外れていっています。ある意味で、築地は本物が残ったねと、その感覚でこれから新しいものを築いていこうという感覚をしっかり支えていかないと、これから先はないかな。

 自分自身の肉屋に関しては、築地は業務用卸なので飲食店がダメだと注文が止まるので打撃が大きいです。観光客が多かったので、地元の人をあまり相手にしていなかったんです。でも、買いに来る人たちは近隣のマンションの方たちがスーパーを利用しながら、築地も来てくれるようになっているので、その人たちに助けられているという感じはします。今の戦略としては、もちろん業務用卸を中心にやるんですが、近隣の人たちから築地があるということを、プロの集団がいるということを、しっかりと地域に伝えることで力にしていこうと、元に帰る良い機会になっているというプラス発想をしていこうと、460人の築地の経営者で話しています。

座談会3

㊧堀内俊宏広報部副部長(司会) ㊨深谷隆浩広報部長


コロナ下の「攻め」

 堀内 困難に立ち向かうために、皆さん色々と対策や工夫をされていると思います。川名さんは牛ステーキを店先でグリルを使って販売したそうですね。

 川名 いつも焼き鳥を焼いたりしていて、お客さんと話しているうちに、牛肉をぜひやってみようとなりました。

 堀内 どのクラスの牛肉を出したのですか。

 川名 A4のロース、サーロインで、結構いいものを。あまり儲からないですけど。(笑い)

 深谷 グリルは焼き鳥の機械の応用ですか。

 川名 炭火を応用したものです。ちょうど暑い日だったから、もう炭で暑くて。お客さんの反応も良かったです。

 深谷 テレビニュースの特集を見た時、驚きました。「A4?」と思っていたけど、本当でした。

 堀内 牛のロースでも冷めると硬くなりますよね。

 川名 でも、皆さんすぐ食べちゃうみたいで。A4あたりなら柔らかいですからね。

 深谷 すごい攻めですよね。スーパーじゃできないです。

 寺出 食べるスペースはあるんですか。

 川名 ないんですよ。店頭で売るだけで。


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寺出昌弘氏の近江屋牛肉店では、隣の店舗に空きが出たのを機に燻製工房を新たに開業

 堀内 寺出さんは新たに燻製の工房を展開したそうですね。昔から、焼豚はやっていたのですか。

 寺出 焼豚はやっていました。父からは「絶対に飲食はやるな。生肉で勝負しろ」と、ずっと言われていました。でも、時代がそうではなくて、築地が観光地となった時に生肉は全く売れないんですよ。観光客が多くなると、一般の人が来づらくなる雰囲気になって離れていくんです。築地から豊洲に市場が移転しましたから転機が来ていて、加工品に踏み込もうと。近江牛のローストビーフなどは、自分の店だけの味付けなので、そっち側へ完全に振らないとだめだということで、江東区清澄に工場を作りました。さらにうちの隣のパン屋さんがやめたので、そこを厨房にして焼きたてのローストビーフを出したり、炭火焼の窯で炭火で焼いて、土曜日は一般のお客さんが多いのでその場で食べさせています。イートインもあります。

 深谷 食べ歩きスタイルができるようにしているんですか。

 寺出 そうですね。でも基本的に築地は串で事故が起きたり、町が汚れたりするので、食べ歩きはやめようと。「食べ止まり」なら良いよと、自分のスペースを決めてゴミ箱おいてとやっています。何がポイントかというと、おもてなしをする、お客様とのコミュニケーションを強くする。これをやらないと、通信販売だけで売れている時代は終わってしまったと思っていて、今はSNSで情報発信をしています。続けていくと見えないお客様が意外に買いに来てくれるので、その部分が非常に大切だと、この一年を見て思いました。

 堀内 牛豚鶏、全部やっているんですか。

 寺出 すべてやっています。私はスーパーのいなげやの出身で、いろいろなものをそろえることをやり続けてきましたが、今は絞っていくことを考えています。近江牛一本にしようと思うくらいに。最初の近江牛一点に戻す方向がこれからはいけるんではないかと感覚を持っていて、できるだけ品ぞろえはカットして、ここを従業員が肉に対してロマンを語れるような形にしていかないと、これからの肉屋は無理なのかなと。

 深谷 今のお話で、情報の発信という部分がとても大切だと思います。ほとんどの組合員さんは高齢で、自分で発信するという術を持たない、わからない。私もやっていなかったのですが、立川のローカルサイトがお忍びでうちの馬刺しとチャーシューを販売しているのを取材していたんです。それから初めてのお客さんが「馬刺しありますか」「チャーシューありますか」と50~60組くらい来まして、そのお客さんから初めてサイトに紹介されていることを気付いたんです。

 それから、チャーシューはなるべく出来立てで販売して、売り切りにしました。スーパーは出来立ては滅多に売らないし、あってもタッパーに入れて冷蔵されて。湯気が上がったものを店先にポンと置いて看板を出すと、香りに釣られてお客さんが来ますよね。たまたま運よくサイトに乗せてもらったということで、これを自分で発信できればと思います。企業がインフルエンサー(世間に影響力がある人物)にいろいろ仕事依頼するのも良く分かります。これ食べた、美味しかったというだけで、買いに来てくれるんですから。改めて自分から発信するのも大事ですが、何かとコラボするというのも必要なんじゃないですか。

 藤井 これからの発信の仕方というと、店舗でマスクしてカーテンをやっていますが、接客という面に関してはコミュニケーションが取りにくいんだよね。昔は袋に入れて手渡しをするのがサービスとなっていたけど、今は「勝手にやってください」「話もあまり聞けません」となると専門店の在り方って、これからどうやって良い接客していくのか、皆さんに聞きたいですよね。布川さんが仰った接客のプロを育てるにも、育て方は…。

 布川 「私専門の接客員さん」として、そのお客さんには特別なものを出すという気配り、心配りをすれば満足してくれますよ。

 藤井 それに、マスクをしてアクリル板もあったりすると、声が聞こえないですよね。だから「あー?」なんて大きい声出したりして。(笑い)

 堀内 藤井さんのお店ではお客さんが密にならないよう伝票に注文を書いて渡すようにしているそうですね。

 藤井 以前からしていましたが、今にマッチしているような状況です。それをやると、本来の接客という面に関してはシビアになってしまう。うちとしてはコミュニケーションの取り方をもうちょっと柔らかくしたいなと。

 深谷 組合で扱っている美ノ久の辛子がローストした肉に合うんです。煮豚でもタレを控えめにして乗せるとまた違った味と食感が楽しめる。これをあえて奥の冷蔵庫に入れて、お客さんとやり取りが終わった後に冷蔵庫から出して説明しながら渡すと、ものすごく喜ぶんです。要は、自分のためにそうしてくれたと見せる販売も必要だなと思いました。

 堀内 布川さんのお店はお弁当が好調のようですね。から揚げ弁当が有名で、羽田空港で降りた人が、三喜屋さんのお弁当を買わないと気が済まないと。一つ500円で出しているそうで。

 布川 みんな口コミで広がって、逆に発信していっぱい来られちゃうと、今までのお客さんに迷惑がかかるんじゃないかな。羽田空港が近いので、今は帰国者がビジネスホテルなどで待機しなくてはならない。そのお弁当を2~3件依頼されて、1か所だけやっていて、それが昼と夜と60食ずつあり、結構な数が出ています。
 堀内 HACCPについては、布川さんは先生のようですから。

 布川 それもお客さんの安心につながっているようです。

 堀内 お肉を触る時にビニール手袋をするのも、お客さんの印象が良いですし、コロナに限らず衛生面で特に気を使う時ですね。

 布川 あれは、今は必要ですね。うちは広いお店ではないので、お客さんが多くても2人しか入れない。接客は息子2人がやって。お客さんがいっぱい来ても密になるし、外に待たせるような感じで、お弁当の時もそうなんです。やはり、相当な数が並ぶので、2人までは店内で待っているんですけど、そのほかは外です。そういうのを見て、口コミが広がったんじゃないかな。うちからは一言も言っていないので。いろいろと問い合わせもあるんです。1日に500個くらいできないかとか。「3人でやっているので、無理ですよ」と言いますけどね。

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布川勝一氏の三喜屋の牛肉ではお弁当が好評。ハサップに基づいた衛生管理も高い評価を得ている

 堀内 藤井さんは茨城県守谷市で常陸牛の肥育から小売りまで一貫して携わっていますね。


 藤井 お肉を売るという形に特化しています。親の地元・茨城県の牛を売ろうと。ただ、価格が安く売れないので、適正価格をお客さんに分かってもらうことに苦労していますね。お客さんに価値あるものを価値ある値段で買ってもらうにはどうすればいいか、重点的に説明することをしています。

 堀内 そのために、小売店から工場の中が見えるようにしていますね。常陸牛だとロースは今いくらくらいするんですか。

 藤井 うちは小売りで1500円くらいです。だから、お肉もマグロに比べればまだ安いのに、1000円以上すると小売りは売りにくいというのが東京の現状だから、グラム数を減らしても買ってもらうにはどうすればいいかということですよね。

 深谷 近所の医療施設から、食事会ではない形で従業員を慰労するために一人1㎏のすき焼き肉を贈りたいと去年の暮れに相談がありました。30人分くらいすき焼き用の松阪牛を送りましたらリピートがあり、今年の暮れもお願いされました。攻める先として、ある程度従業員を雇っている企業に提案するというのはどうでしょう。

 藤井 外食の納めをやっているところは、売り先をこちらから探すと需要はあると思うんですよね。その中で、飲食店が立ち直るのを待ってられれば良いけど、こっちから売り先を探す形もあるよね。当分、この状態は続きますよ。

 布川 去年の暮れは、そういうの多かったですね。うちの方でも、工場の社長さん打ち上げできないから肉を配りたいというんです。うちは元々ギフトをやっていたので、箱に詰めて揃えました。

 堀内 飲食店をやっている組合員さんは、今後はどうしたらいいでしょう。

 布川 飲食店はリベンジ消費が、これから来るので、将来は安心があると思います。

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藤井勲氏の藤井商店は茨城県守谷市に牧場を持ち、生産から販売まで一貫して牛肉を取り扱う


今こそ変化に対応


 堀内 コロナ禍にあって「巣ごもり需要」が特長の一つです。リモートワークなどで外に行かないということで、売れ行きに影響はありますか。

 川名 肉のお弁当が良く売れます。トンカツとか、唐揚げとか。

 寺出 コロナが厳しかった時はお弁当をやっていましたが、平日は築地自体にお客さんがいなく、人が住んでいないので、集客するのが大変でした。あるところから銀座のドン・キホーテで売らないかと声がかかり、「築地のお弁当」と500円弁当を築地の3軒で持って行ったんです。去年の6月に1か月だけやってみて、平均100食ですから、ある程度銀座の人たちが来てくださったんです。お弁当は店舗に持ってきてもあまり売れないので、焼豚などの通販を強化しました。築地全体の通販サイトの強化もしています。

 最近面白いのが、勝鬨橋を渡るとマンションがあり、そのオーナーから築地に来られないので、ロビーで何かやってくれないかと。うちはローストビーフを持って行って8店舗で夕方に出すんです。そうすると、築地のものが買えると降りてきてくださった。2時なのにあっという間に100人も並んで。こういう時は一歩前へ攻めに出て、いろいろなところに行くのが必要だと勉強になりました。

 堀内 それは商店街で行ったんですか。

 寺出 有志だけです。スーパーと違うところは、そうしたものを切りたてで持って行けるところ。そのあとも好評で、他のマンションでもという話が出ているので、行商ではないですけど、そういうのも面白いねと言っています。

 藤井 この間、肉屋の有志で集まった時に「創業何年?」と話になって、もう通常で何10年というのが当たり前の世界になった。発信力ってものすごいですよね。表に出れば、長年やっていたというのは周りは知っていると思います。それをうまく利用して、地元で発信すればすごい発信力はあると思いますよね。

 寺出 あると思いますよ。可能性に気付いていないだけで。実際動いてみると、こんなに人気あったと改めて気づかされます。

 堀内 皆さんも2代目、3代目という方が多いですね。

 布川 うちは59年かな。新しいスタイルに変えていかないと。お客さんだって変わるでしょ。おばあさまの代わりに若いお嫁さんが買いに来ると、買い方がガラッと変わっちゃうから。それに対応するには、感覚も合わせていかないと。

 堀内 川名さんは官公庁にお弁当を納めがあるそうですね。

 川名 ある人が突然やってきて、お弁当をよそへ卸したいと言ってきたんです。全然知らない人でしたが、官公庁に顔が利くということで、一緒に回って販路を広げていったんですですけど、まさかの好調でした。

 堀内 区のイベントでもお弁当が出るそうですね。

 川名 杉並区の商連の副会長をやっているので、役所とのつながりがあるんです。そうすると、職員が仲間になって、いろいろと話を来るから。やはり、地域を大事にするといいと思いますね。

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川名海男の川上屋はお手頃価格で豊富な惣菜が詰まったお弁当が地域に親しまれている


 堀内 藤井さんは業務用納めもやっていますが、やはり厳しいですか。


 藤井 飲食店専門でやっているところは厳しいですね。ホテル専門は、大打撃だと思います。飲食店はお酒も出ない。「コロナとともに」でやり方を変えながらやっていかないと難しいかなと。

 堀内 私も近所の洋食屋に納めているんですけど、そこの社長が店頭でお弁当を売る時に、手袋をしてお金の受け渡しの時に電子決済にしたら、売り上げが倍増したというんです。お客さんからは、お金を扱った手でお弁当を触るというのが抵抗あると感じていたのではと言っていました。

 布川 今、コロナ禍でそういうことに敏感になりましたね。サラリーマンを見ていると、ほとんどがQR決済です。それに、うちは盛り付けする人は接客に出ないんですよ。レジに一人置いて、その人だけがお金を扱う。感覚的に自分が買うとしたら嫌だなと思うから。ラーメン屋で親指が入っていたら、食べるの嫌でしょ。(笑い)

 堀内 お弁当の売値がおつりのない、きっちりした金額の方が良いと聞いたことがあります。

 布川 うちは税込みで500円ですよ。しかもおかず6種類に、ご飯ですから。今は2社納めがあり、1日250食限定にしています。そこも6社くらいお弁当屋さんが入っていますが、ダントツでうちが多いです。

 堀内 深谷さんが「新報」の「惣菜ふか掘り」で立川のお肉屋さんを紹介していましたけど、惣菜がすごかったですね。

 深谷 もとは豚の問屋さんで、ものが良いんですよ。余ったものをお金に換えたいというのから惣菜が始まって、今じゃ店舗の3分の1以上を占めると言っていました。金・土曜日のバザーみたいなもので、すこぶる評判がいいです。

 堀内 今、内臓肉が余っている傾向もあったので、非常に良かったのではないですか。会社帰りのお父さんが居酒屋行くより良いかもしれないです。

 深谷 無駄が出なくていいというのと、内臓肉の売り先がないというところに安く分けてもらっているそうです。売る日を決めて、売り切りにするスタイルで、残らないように売るから無駄が出ないのが良いようです。

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金・土曜日限定で多彩な惣菜類を販売する富士ミート。モツ煮が人気

和牛の給食さらに


 堀内 昨年、学校給食に和牛が提供されました。

 藤井 すごく評判良かったです。教育委員会の人たちと話をすると、東京でも牛肉が食べられないという貧困層の子供たちがいるそうで、とても良い事業だったと喜んでいました。1年に1回くらいは子供たちに和牛を食べられる機会を設けられたらと思っています。世界で和牛ブームなのに、日本の子供が和牛を食べたことがないというのでは、食育としてどうなのかなと思います。

 布川 うちの方はすき焼きでやるって言っていたけど、結局牛丼になっちゃった。給食でクジラの竜田揚げが出ていたのは我々の世代くらいまでかな。和牛も同じで、出さなくなったら大人でも食べたことがないものになってしまう。それはまずいんじゃないかと。

 堀内 学校給食でA5の和牛が食べられたのは、一生覚えていると思いますね。

 深谷 今回は余剰となったために始まった事業でしたが、グラム1000円までというのを食育という考えならば800円だっていいと思います。本当に子どもたちへ日本の食を伝えたいという意味で売り込むのも手だと。

 藤井 学校給食の構造自体が昔から変わっていないです。今は1食あたり200~300円のようで、お弁当だって500円だというのに、それで栄養士に良いもの作れと言っても無理なんだよね。そこを改革して、和牛をきっかけに今の現実を壊したい。学校給食が安い入札だとかで豚肉を落としている姿があるから、お肉屋さんたちはみんな困っている。仕事を取りたいから、安く安くと。良いものを出したい、美味しいものを子供たちに食べさせたいということを、どういった形で改革できるか、やり方が見つかればと思います。

 川名 1000円というのは変わらないのかねえ。

 藤井 今回は1000円でしたけど、今後はそんなにお金を使わなくても年に1回くらいは和牛を食べる日を設けるだけで、だいぶ違ってくると思いますけどね。

 川名 栄養士さんによって、全然違うじゃない?すごくお金が余っちゃうとか。和牛のステーキを出した地域もあったようですけど、お金があるところとないところと極端なんですよ。うちはお金ないから安くしてと言われるけど、何だろうね。野菜が安い時はお金が余るそうだけど。栄養士の腕なのかね。

 堀内 自治体の予算とかいろいろな面で、そうなるのでしょうね。栄養士さんも、今回いろいろ勉強になったでしょうね。あんなに美味しい肉は初めて食べたという声もあったそうです。

 藤井 今回は牛肉の価格が下がったから国がすぐ動いたけど、食育という面では1年に1回くらいで和牛の提供をやっても良いかなと。今回は和牛の値が下がらないからダメというのではなく。みんな喜んでくれましたから。

 布川 東京は地産地消ができないから。茨城だったら常陸牛があって、地元の野菜ということができるけど、東京はそれができない。高級部位でなくてもいいんだよね。牛バラでもブリスケでも。そういうのも栄養士さんに分かってもらうしかないな。鶏肉ばっかりだもの。

 堀内 北区もBSE問題以来、牛肉を使ってくれないです。

 藤井 まだ危ないっていう人がいるんですよ。いろいろな方面からの絡みがあって、牛肉は使わないっていうのが、いまだにあるんだと。

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墨田区内の学校給食に提供された和牛入りのハヤシライスを試食する藤井さん㊨


飛躍へ力を蓄えて


 堀内 最後に、今後のコロナ終息後の展望を聞かせてください。

 布川 この状況はまだまだ続くと思います。本当に良くなるというのは1~2年かかるかもしれないし、それによって生産者もやめていってしまって畜産物の頭数が減ってきた。さらに新興国が消費が旺盛になってきた。国内で売るより海外へ輸出した方が良いんじゃないかということもありますし、これからは肉の取り合いということも進んで行くと思います。から揚げ、焼肉もブームですが、どんどん値段が上がるとお客さんがお金を出しづらくなる。となると、回帰するのは肉屋じゃないかと、甘い展望ですが、そういう形でやっていけば我々にもまだ夢やチャンスをつかむ部分は大いにあると信じています。

 寺出 築地はすごくアナログですが、コミュニケーション大事にしながら、使えるところはデジタルで省力化しようということをやっています。たとえば発信では、築地をYouTubeに連続100日アップしています。お店や本願寺、周りの文化など、この売れていない時期に発信しようと。YouTubeは後からでも見られるので、100本やることで「築地頑張っているな」というのを担保する時です。それを見て、またさらに来てもらえばいいので、そのようなことを実際に行動に移さなくてはならない。良いものをどうやって付加価値を付けるかを考えていくということをやり始めています。情報を発信していかないと、良いものがあるのに知らしめないと売れないので、その辺をしっかりやっていこうと考えています。私は「地域のことをやれば、あとから付いて来るから」と教えられてきたので、そちらの方をガンガンやります。

 川名 ことしは夏の盆踊りができないのが寂しいですね。焼き鳥とか出したり、地域の店を出店させたりしているんです。初めはほとんど出店がなかったんですけど、私がどんどん呼び込んで店を増やしたら、盆踊りにどんどん人が集まってきましてね。踊りを習っている地域の子供たちがや阿波踊りなども呼び込んで、盛り上げています。

 藤井 うちでも小売りでは値段的には安売りはできないから、良いお客さんを接客で読み取って、今後につなげるリピーターにするにはどうすればいいのか、従業員と話します。良いお客さんが、また来てくれるような形を作りたいです。

 布川 孫が来ると必ず注文が入るようなお客には、こっちから持って行ってあげるんだよ。

 藤井 そういうお客を見つけたいよね。それがなかなか見えないから、従業員は接客で順番に並んでくださいとか言っちゃうけど、サッと裏でサービスするような。

 堀内 今後も引き続きコロナ対策を万全にして、商売を守って頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。

今月のお肉屋さん

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肉のミゾグチ

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大田区仲六郷2-27-3 

レシピ紹介

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ビーフかつめし

ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手

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チーズ入り鶏むね肉唐揚げ

むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ

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味噌㏌ミルフィーユとんかつ

味にも健康にも有効な味噌を挟んで厚みと柔らかさが楽しい

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味付牛肉のビビンバ風焼肉

時短、お手軽調理の味付焼肉に野菜を加えてへルシーに

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牛焼しゃぶサラダ&プチチキンステーキのW弁当

定番のサラダ料理を美味しく調理し、牛肉の新しい食べ方を提案

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シャリアピン風カットステーキキノコ添え

玉ネギを効かせたシャリアピンソースがおいしい

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香味豊かな大葉と梅in渦巻きトンカツ

大葉の薬味と梅の酸味が油を中和させてヘルシーに

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豚冷しゃぶとマカロニの和風サラダ

マカロサラダに豚冷しゃぶを加えて主菜にランクアップ

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チーズパセリトンカツ

衣をチーズとパセリで味を付けてソースいらず

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豚チンジャオロースと鶏・野菜の素揚マリネ

8種類の野菜を豚肉料理・鶏肉料理に組み合わせたヘルシーなプレート

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食肉組合のマスコットキャラクターモグモグ

こんにちは。ボクたちは食肉組合のマスコットキャラクターです。
ボクの名前はモグモグ。お姉さんの名前はメイプル。
組合員のお店で買い物すると、手提げのビニール袋や包装紙に印刷されているよ。

東京都食肉生活衛生同業組合/東京都食肉事業協同組合

電話でのお問い合わせ 03-3471-6161

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