2026/6/15
牛に惹かれて五島・福江島参り(後編)
山口Farm 生産・販売・飲食と五島牛を一貫
美味しい肉のため牛第一の快適な牛舎

バスに揺られて、島の中央部へ。小高い山々に囲まれた田園風景の中に、ぽつんと牛舎が建つ。その屋根には「山口Farm」の文字が踊り、その存在感を示している。
中に入ると、子牛が珍客へ興味を持つかのように柵から顔を出して迎えてくれた。牛舎では繁殖牛約50頭、肥育牛約30頭を飼育しているが、 臭いはほとんどない。自然の光が差し込んで明るく、外からは柔らかく心地良い風が吹き抜ける。
「私の一日は、朝8時からの牛舎の掃除から始まります」と社長の山口伸太郎さんは牛舎の清潔さを誇る。牛が快適に過ごせる環境を心掛け、牛舎の隅々まで配慮する。温度管理。牧草の質。夏の暑さ対策でミストや扇風機も装備。牛舎内の様子は設置したカメラからスマホでチェックできるので、離れていても安心だ。「美味しい肉に」をモットーとした、牛を第一に考えた牛舎となっている。
中に入ると、子牛が珍客へ興味を持つかのように柵から顔を出して迎えてくれた。牛舎では繁殖牛約50頭、肥育牛約30頭を飼育しているが、 臭いはほとんどない。自然の光が差し込んで明るく、外からは柔らかく心地良い風が吹き抜ける。
「私の一日は、朝8時からの牛舎の掃除から始まります」と社長の山口伸太郎さんは牛舎の清潔さを誇る。牛が快適に過ごせる環境を心掛け、牛舎の隅々まで配慮する。温度管理。牧草の質。夏の暑さ対策でミストや扇風機も装備。牛舎内の様子は設置したカメラからスマホでチェックできるので、離れていても安心だ。「美味しい肉に」をモットーとした、牛を第一に考えた牛舎となっている。

実は、以前はJAごとうに勤めていた山口さん。牛の肥育をしていた父の入院がきっかけで、全く経験のないまま兼業で就農。
そうした中で、初めて牛のお産に立ち会った。生まれたばかりの子牛は初乳を飲むまで目を離さないよう、父からアドバイスされていたが、油断して死なせてしまった。同じ過ちを繰り返さないため、畜産のみで道を歩むことを決意。その証として、その子牛の鼻紋を会社のロゴにした。視察で訪れたレストラン「城」で見たロゴは、これをモチーフにしたものだ。
「次の子たちからは、幸せに育てたい」との思いで研究を重ねた結果、子牛がセリで高い評価を受けた。ここから牛への思いを強くし、2017年にJAを退職して同社を立ち上げ。令和4年・5年の五島市競り市場の年間で、高額販売されたとして2年連続で表彰された。
肥育は、3〜7歳を7カ月の間で再肥育したり、520㎏以上に体を大きくしたりと、様々に技術を凝らす。牛舎の半分を占める経産牛は、肉にコクが出ると好評だ。雌肥育にこだわり、「最高級」よりニーズに応えた赤身肉を目指し、食卓やキッチンからの声に応えようと思索している。
しかし、五島地域の飼養農家は減少傾向に。令和3年度に280戸あった飼養農家は、7年度には227戸となった。一方で規模拡大は進み、1戸当たりの飼養頭数は29・5頭から36・6頭へ増加。山口さんほか若手の飼養農家が出るなど新たな可能性も生み出している。
そうした中で、初めて牛のお産に立ち会った。生まれたばかりの子牛は初乳を飲むまで目を離さないよう、父からアドバイスされていたが、油断して死なせてしまった。同じ過ちを繰り返さないため、畜産のみで道を歩むことを決意。その証として、その子牛の鼻紋を会社のロゴにした。視察で訪れたレストラン「城」で見たロゴは、これをモチーフにしたものだ。
「次の子たちからは、幸せに育てたい」との思いで研究を重ねた結果、子牛がセリで高い評価を受けた。ここから牛への思いを強くし、2017年にJAを退職して同社を立ち上げ。令和4年・5年の五島市競り市場の年間で、高額販売されたとして2年連続で表彰された。
肥育は、3〜7歳を7カ月の間で再肥育したり、520㎏以上に体を大きくしたりと、様々に技術を凝らす。牛舎の半分を占める経産牛は、肉にコクが出ると好評だ。雌肥育にこだわり、「最高級」よりニーズに応えた赤身肉を目指し、食卓やキッチンからの声に応えようと思索している。
しかし、五島地域の飼養農家は減少傾向に。令和3年度に280戸あった飼養農家は、7年度には227戸となった。一方で規模拡大は進み、1戸当たりの飼養頭数は29・5頭から36・6頭へ増加。山口さんほか若手の飼養農家が出るなど新たな可能性も生み出している。
地域賑わす精肉店

牛舎から田んぼのあぜ道を歩いて数分の道路沿いに、同社の精肉店がある。昨年7月にオープンし、黒を基調にした落ち着いたデザインで、ガラス張りの店頭が明るくて解放感がある。

ショーケースにはパック入りの精肉が並ぶ。焼肉用、ステーキ用、カレー用など、様々な用途に向けて、種類豊富にそろえてある。部位もロースやヒレ、ウデなど、パックに表示しているので、消費者にも分かりやすい。内臓肉も扱っているのが、幅広いニーズに応えられる品揃えであることを印象づける。店内の片隅に作業場があり、ここでカットした精肉が並ぶ。これらはもちろん同社が育てた「五島牛」で、直営ならではの品質と価格を実現している。

周辺には人通りは少ないが、島民が車で買物に来たり、観光客がネットなどの情報から立ち寄ることも多く、割合としてはおよそ半分ずつ。SNSでお店の情報を発信し、精肉だけでなく、メンチ、コロッケ、ハンバーガーが人気。店内には飲食スペースも設け、五島牛を手軽に堪能できる。店舗裏には50人収容可能なバーベキュー場、子供の遊び場としてスケボー場も整備。地域を盛り上げるランドマークとしても役割を持っている。
販路拡大にも汗を流す。島内だけでなく東京の飲食店、県外の食肉業者にも流通ルートを開拓。ネット販売でも注文が増えている。
生産、販売、飲食と、五島牛を一貫して手がける同社。すべてが人と牛と自然で循環する仕組みが出来上がっている。
販路拡大にも汗を流す。島内だけでなく東京の飲食店、県外の食肉業者にも流通ルートを開拓。ネット販売でも注文が増えている。
生産、販売、飲食と、五島牛を一貫して手がける同社。すべてが人と牛と自然で循環する仕組みが出来上がっている。

「人にも牛にも幸せになってもらうことがテーマです。食べてうれしい顔を見れば、牛も幸せです」
店舗前で山口さん一家が視察団を見送ってくれた。最高の笑顔のはなむけに、皆が幸せな気分になって帰路に就いた。
店舗前で山口さん一家が視察団を見送ってくれた。最高の笑顔のはなむけに、皆が幸せな気分になって帰路に就いた。
牛肉のステーキ さっぱりサルサソース
ステーキをたっぷり野菜と一緒に
スペアリブの黒酢煮
骨付き肉のうまみが出た食べ応えのある一品
牛肉とアスパラのみそ炒め
アスパラの食感と牛肉の厚みで食べ応えを
牛肉とキャベツの甘みそ炒め
春の柔らかいキャベツを使って焼き肉のように
牛肉の菜の花巻き焼き
菜の花を使って春の香りを包んだ巻き焼
焼き肉のせ白菜サラダ
冬野菜の白菜と牛肉の旨味でたっぷり食べられるサラダ
牛肉とスナップえんどうの塩炒め
焼き肉用の牛肉を使い旬のスナップえんどうで彩りもきれいに春らしく。















