(有)山屋精肉店
お昼時になると、近隣の会社員や車で乗り付けた作業員まで、㈲山屋精肉店(川島仁市社長、江東区北砂)の店舗前はお弁当を求める人たちで賑わう。精肉が並ぶショーケース越しに注文を取ったり、裏で出来立ての惣菜を詰めたりと、川島さんを先頭に従業員の動きは止まらない。「なるべく安くておいしく」を信条とするお弁当は、お肉の美味しさを引き出した手作りの惣菜類と、川島さんの感謝の思いが詰まっている。
店主より一言
店舗情報
営業時間 | 9:00~18:00 (定休日:日曜日、祝日) |
---|---|
連絡先 |
TEL:03-3644-3401 FAX:03-5683-7009 |
住所 | 〒136-0073 江東区北砂4-34-13 |
URL | yamayaseinikuten.com |
SNS |
店舗PR、お知らせなど
幕の内弁当には自信作のカツとシュウマイが
父・通徳さんが精肉店を昭和30年に開業。実はその前に居酒屋を営んでいた。当時は近隣にと場が多くあり、モツは手軽に入手できた。お通しに作ったモツ料理は好評で、お店は繁盛。それがきっかけで精肉店に生まれ変わった。
肉の扱い方は変わっても、お店は成長を続ける。若い従業員5~6人が住み込みで働き、近隣へ精肉を配達。当時はスライサーではなく包丁による手切り、挽肉も手挽きで作業をするなど、活気に満ちていた。「肉より高かった」ほど揚げ油が高騰した苦しい時期でも、コロッケやメンチを求めるお客で、3軒隣まで行列ができるほどに。
川島さんが家業に入ったのは、大学を卒業した22歳。体調を崩した通徳さんを支えるため、お店の中心的存在となってお店の舵を取り始めた。
惣菜は全て手作り
「肉屋が、なぜお弁当を始めないの?」
とある講習会で講師から問われた。
当時は精肉店がお弁当を扱うことに批判的な同業者が多かった。しかし、居酒屋のモツ料理のノウハウを持ち、揚げ物などの惣菜類も人気。挑戦するには十分な要素を持っていた。始めてみると売れ行きは好調。次第に勢いを増し、売り上げの柱の一つとなる。
準備は朝7時。パートさんたちが店舗裏の作業場で下ごしらえ。タマネギを刻んだり、シュウマイを包んだり、コロッケ生地を整形したりと、全て手作業でこなす。惣菜の多くは、パートさんたちのアイデアから出たものだ。コロッケやメンチ、ハンバーグなどをメインとした約40種の定番メニューのほか、季節のメニューを詰めた日替わり弁当など、楽しみも多い。
売れ筋の「幕の内弁当」には、歯ごたえのある厚みのヒレカツが2枚。「カツは得意分野」と自信を見せる一品で、パン粉にも工夫を凝らし、ウスターソースとお好み焼きソースをブレンドした甘辛ソースが最後の決め手。弾力のある肉の餡を包んだシュウマイや、よく味が染みた煮物などが、その脇を固める。
肉の扱い方は変わっても、お店は成長を続ける。若い従業員5~6人が住み込みで働き、近隣へ精肉を配達。当時はスライサーではなく包丁による手切り、挽肉も手挽きで作業をするなど、活気に満ちていた。「肉より高かった」ほど揚げ油が高騰した苦しい時期でも、コロッケやメンチを求めるお客で、3軒隣まで行列ができるほどに。
川島さんが家業に入ったのは、大学を卒業した22歳。体調を崩した通徳さんを支えるため、お店の中心的存在となってお店の舵を取り始めた。
惣菜は全て手作り
「肉屋が、なぜお弁当を始めないの?」
とある講習会で講師から問われた。
当時は精肉店がお弁当を扱うことに批判的な同業者が多かった。しかし、居酒屋のモツ料理のノウハウを持ち、揚げ物などの惣菜類も人気。挑戦するには十分な要素を持っていた。始めてみると売れ行きは好調。次第に勢いを増し、売り上げの柱の一つとなる。
準備は朝7時。パートさんたちが店舗裏の作業場で下ごしらえ。タマネギを刻んだり、シュウマイを包んだり、コロッケ生地を整形したりと、全て手作業でこなす。惣菜の多くは、パートさんたちのアイデアから出たものだ。コロッケやメンチ、ハンバーグなどをメインとした約40種の定番メニューのほか、季節のメニューを詰めた日替わり弁当など、楽しみも多い。
売れ筋の「幕の内弁当」には、歯ごたえのある厚みのヒレカツが2枚。「カツは得意分野」と自信を見せる一品で、パン粉にも工夫を凝らし、ウスターソースとお好み焼きソースをブレンドした甘辛ソースが最後の決め手。弾力のある肉の餡を包んだシュウマイや、よく味が染みた煮物などが、その脇を固める。
妻・尚子さんもパートさんとコロッケ作りに励む
10時頃には大型車で乗り付けた作業員や、買い出しに来る会社員などがお弁当を買いに来る。近隣はもちろん、中には車で30分もかけて来店するお客も。評判は口コミで広がり、配達する範囲も広がりつつある。
お昼時に売れる見込みの量をまとめて作り上げ、12時台は次々とお客が出来立てのお弁当を手にしていく。温かいうちに食べられるよう午後1時には売り切るようにし、ライスがなくなり次第終了だ。
お昼時に売れる見込みの量をまとめて作り上げ、12時台は次々とお客が出来立てのお弁当を手にしていく。温かいうちに食べられるよう午後1時には売り切るようにし、ライスがなくなり次第終了だ。
啓三郎さんが手で感触を確かめながら精肉をスライスする
品質は手の感触で
お弁当が呼び水となり、精肉も良く売れる。下町の雰囲気が色濃い地域で、「おいしいものを知っているお客が多い」。
地域の人たちが牛肉を楽しめることを意識した品ぞろえと価格で、ブランドにはこだわらず、「味が良い物を」仕入れる。豚肉は茨城県産が中心で、昔から仕入れているものだ。「白っぽい肉質が好み。食べても好きな味」と太鼓判を押す。
作業場では弟・啓三郎さんがスライサーで肉をカット。スライスされた肉を、次々と素手で並べていく。「これだと、手の感触で肉の厚さがミリ単位でわかります」と、長年の経験をもとに、肉の品質や美味しさを肌で見極めているかのようだ。
こうした精肉が店舗で地域のお客に長年親しまれており、お弁当や惣菜の美味しさを実感したことをきっかけに、精肉を買いに来るお客も多い。スタミナ漬けや味噌漬けなど、味付け肉もおかず感覚で良く売れている。
◇
5年前から、長男・宏一さんが家業に入った。大手タイヤメーカーに勤めていたが、「昔から見ているから、違和感なく入れた」。店頭では笑顔で接客し、配達に走り回り、お店のホームページも運営する。「町の皆さんにも使っていただいている。お店をなくすのはもったいない」と、3代目としての意識も強まっているようだ。
宏一さんへ段々と仕事を任せながら「良いようにやってもらう」と、信頼の目を向ける川島さん。
「自分一人ではできない。お店のみなさんのおかげで、やって来られている」
手に持ったお弁当の温もりに、違う温もりも伝わってきた。
【「東京食肉新報」2017年(平成30年)12月15日号掲載】
「お肉のマイスター達」で、お肉の美味しさが生きたお弁当や惣菜類などを紹介しています。
お弁当が呼び水となり、精肉も良く売れる。下町の雰囲気が色濃い地域で、「おいしいものを知っているお客が多い」。
地域の人たちが牛肉を楽しめることを意識した品ぞろえと価格で、ブランドにはこだわらず、「味が良い物を」仕入れる。豚肉は茨城県産が中心で、昔から仕入れているものだ。「白っぽい肉質が好み。食べても好きな味」と太鼓判を押す。
作業場では弟・啓三郎さんがスライサーで肉をカット。スライスされた肉を、次々と素手で並べていく。「これだと、手の感触で肉の厚さがミリ単位でわかります」と、長年の経験をもとに、肉の品質や美味しさを肌で見極めているかのようだ。
こうした精肉が店舗で地域のお客に長年親しまれており、お弁当や惣菜の美味しさを実感したことをきっかけに、精肉を買いに来るお客も多い。スタミナ漬けや味噌漬けなど、味付け肉もおかず感覚で良く売れている。
◇
5年前から、長男・宏一さんが家業に入った。大手タイヤメーカーに勤めていたが、「昔から見ているから、違和感なく入れた」。店頭では笑顔で接客し、配達に走り回り、お店のホームページも運営する。「町の皆さんにも使っていただいている。お店をなくすのはもったいない」と、3代目としての意識も強まっているようだ。
宏一さんへ段々と仕事を任せながら「良いようにやってもらう」と、信頼の目を向ける川島さん。
「自分一人ではできない。お店のみなさんのおかげで、やって来られている」
手に持ったお弁当の温もりに、違う温もりも伝わってきた。
【「東京食肉新報」2017年(平成30年)12月15日号掲載】
「お肉のマイスター達」で、お肉の美味しさが生きたお弁当や惣菜類などを紹介しています。
素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ