藤井商店
藤井勲社長(㈲藤井商店、墨田区東向島)の朝は、牧場から始まる。敷地面積9900㎡の中に、牛の肥育施設だけでなく、加工工場、一般消費者向けの小売店もある。約150頭の牛をはじめ、加工場の衛生面、精肉の販売など、細かいところまで気を配る牧場の場所は、茨城県守谷市。産地直送を実現する牧場には、食肉業界への夢が詰まっていた。
店主より一言
店舗情報
連絡先 |
TEL:03-3614-6711 FAX:03-3619-8927 |
---|---|
住所 | 〒131-0032 墨田区東向島3-30-2 |
URL | fujiishouten-meat.com |
店舗PR、お知らせなど
東武伊勢崎線曳舟駅近くの地蔵坂商店街。多彩な商店が細い道路の両側に延々と並ぶ。その通りから少し外れた細い路地に、藤井商店はある。
会長である父・憬さんが商店街の賑やかさと人の多さを気に入り、開業したのは昭和30年。その10年後に縁あって憬さんと妻・うめこさんの故郷である茨城県守谷市の養豚場の経営を引き継いだ。当時は300頭の豚から始まったものが、昭和45年には守谷牧場として牛の肥育をはじめ、現在では150頭の牛を肥育している。これで、精肉の生産から販売までの流れが出来上がった。
藤井社長は埼玉県川口市の卸問屋での修業時代、産地直結の生産・販売・卸を一貫してやりたいという思いを強くしていた。23歳の時、早くもその思いは実現した。取引していた卸問屋が店じまいすることで卸業を引き継ぐことに。これにより理想の形ができた。
繋がりこそが大事
2代目として、業績向上に張り切った。15年前、コンサルタントとともに時代に適した方法で客層の調査、チラシの作成、ポスティングなど支店立ち上げの戦略を練る。自社の生産・卸を活かして安価に販売すれば、売り上げの期待は大きい。惣菜とお弁当の時代到来と、元洋食店の料理人を店長に充実した厨房と高品質なメニューをそろえた。
「失敗する可能性はない」との自信の通り、開店早々に多忙を極める繁盛ぶり。やがて次第に客足は鈍りだし、看板を降ろすことに。価格、宣伝、品揃えに不備がないのに、と疑問が残った。「安くするだけではお客さんは繋がらないということを実感しました」。
お客との繋がりを具体化させたのは、優秀な生産者と密接な関係と信頼を築き、良いものを適正な価格で提供する環境を整えたことだ。生産者の名前を冠する産地直送の牛肉が墨田区の本店で好評で、評判が口コミで広がり、生産者からの紹介も加わるなど、お客がお客を呼んだ。大事なのは「どうしたらお客さんが来るか考えるより、目の前の小さなことから始める」ことだった。
小売業と生産者の間には昔からの守られた領域があるため、取引には配慮を必要とした。しかし両者とも減少傾向にある今、協力し合いながら食肉業界全体を伸ばしていく形を藤井社長は模索する。
産地との繋がりを強くし、産地の名前を前面に出した銘柄牛を出し、近隣に住む産地出身の消費者に届ける。その仕組みができれば、生産者も守れるし、小売りも伸びる。結果として業界全体が盛り上がる。こうした理想を掲げるのも、食肉販売を通じて「この業界を盛り上げたい。創業の地・東京、産地・守谷に貢献したい」との業界と地域の愛着の思いからだ。
会長である父・憬さんが商店街の賑やかさと人の多さを気に入り、開業したのは昭和30年。その10年後に縁あって憬さんと妻・うめこさんの故郷である茨城県守谷市の養豚場の経営を引き継いだ。当時は300頭の豚から始まったものが、昭和45年には守谷牧場として牛の肥育をはじめ、現在では150頭の牛を肥育している。これで、精肉の生産から販売までの流れが出来上がった。
藤井社長は埼玉県川口市の卸問屋での修業時代、産地直結の生産・販売・卸を一貫してやりたいという思いを強くしていた。23歳の時、早くもその思いは実現した。取引していた卸問屋が店じまいすることで卸業を引き継ぐことに。これにより理想の形ができた。
繋がりこそが大事
2代目として、業績向上に張り切った。15年前、コンサルタントとともに時代に適した方法で客層の調査、チラシの作成、ポスティングなど支店立ち上げの戦略を練る。自社の生産・卸を活かして安価に販売すれば、売り上げの期待は大きい。惣菜とお弁当の時代到来と、元洋食店の料理人を店長に充実した厨房と高品質なメニューをそろえた。
「失敗する可能性はない」との自信の通り、開店早々に多忙を極める繁盛ぶり。やがて次第に客足は鈍りだし、看板を降ろすことに。価格、宣伝、品揃えに不備がないのに、と疑問が残った。「安くするだけではお客さんは繋がらないということを実感しました」。
お客との繋がりを具体化させたのは、優秀な生産者と密接な関係と信頼を築き、良いものを適正な価格で提供する環境を整えたことだ。生産者の名前を冠する産地直送の牛肉が墨田区の本店で好評で、評判が口コミで広がり、生産者からの紹介も加わるなど、お客がお客を呼んだ。大事なのは「どうしたらお客さんが来るか考えるより、目の前の小さなことから始める」ことだった。
小売業と生産者の間には昔からの守られた領域があるため、取引には配慮を必要とした。しかし両者とも減少傾向にある今、協力し合いながら食肉業界全体を伸ばしていく形を藤井社長は模索する。
産地との繋がりを強くし、産地の名前を前面に出した銘柄牛を出し、近隣に住む産地出身の消費者に届ける。その仕組みができれば、生産者も守れるし、小売りも伸びる。結果として業界全体が盛り上がる。こうした理想を掲げるのも、食肉販売を通じて「この業界を盛り上げたい。創業の地・東京、産地・守谷に貢献したい」との業界と地域の愛着の思いからだ。
行列ができる牧場
守谷の牧場に併設された小売店には午前中から行列ができる。平成21年に始め、今では価格の安さと品質、おいしさで地域に好評だ。
始めた直後は商店街のように集客は望めないので、ショーウィンドウに精肉も並べておけず、注文の都度切り売りする販売方法をとっていた。
加工場から直接販売できるので、他の小売店より安価。チラシや特売などを一切せずに、安さに驚く消費者の口コミが広がった。「お客さんに喜んでもらいたい」と始めた店は、並べる商品も次第に増え、新たな集客と販売の可能性を見出すまでになった。
生産量の不足、相場の高騰、過酷な業務などから、食肉業界に携わる後継者は減少している。小売と産地の業者同士で連携を密にし、業界全体が潤っていけば、業界に飛び込む若手も増えてくる。そのパイプ役になろうと志し、墨田区の本店と守谷の牧場を行き来する藤井社長。
「おいしい肉を食べれば幸せな気分になって、家庭が明るくなる。その一翼を担っているという自信を持ってほしい」
総勢40人のスタッフをまとめるという苦労はあるが、年に1回の海外旅行が唯一の楽しみ。藤井社長にとって食肉業界の理想郷への旅は始まったばかりだ。
守谷の牧場に併設された小売店には午前中から行列ができる。平成21年に始め、今では価格の安さと品質、おいしさで地域に好評だ。
始めた直後は商店街のように集客は望めないので、ショーウィンドウに精肉も並べておけず、注文の都度切り売りする販売方法をとっていた。
加工場から直接販売できるので、他の小売店より安価。チラシや特売などを一切せずに、安さに驚く消費者の口コミが広がった。「お客さんに喜んでもらいたい」と始めた店は、並べる商品も次第に増え、新たな集客と販売の可能性を見出すまでになった。
生産量の不足、相場の高騰、過酷な業務などから、食肉業界に携わる後継者は減少している。小売と産地の業者同士で連携を密にし、業界全体が潤っていけば、業界に飛び込む若手も増えてくる。そのパイプ役になろうと志し、墨田区の本店と守谷の牧場を行き来する藤井社長。
「おいしい肉を食べれば幸せな気分になって、家庭が明るくなる。その一翼を担っているという自信を持ってほしい」
総勢40人のスタッフをまとめるという苦労はあるが、年に1回の海外旅行が唯一の楽しみ。藤井社長にとって食肉業界の理想郷への旅は始まったばかりだ。
素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ