(有)鳥政
精肉店と併設した焼肉店で右から安藤さん、泰子さん、貢一さん
モダンなデザインの店舗の壁に、「鳥政」と白抜きの文字が躍る赤い看板が映える。右側に精肉店、左側に焼肉店。㈲鳥政(安藤靖昭社長、狛江市東和泉)は一つで二つの顔を持つユニークな店舗だ。その姿は戦前からの歴史を持つ同店が、時代と町の変遷とともに精肉店として重ねてきた工夫の表れでもあった。
モダンなデザインの店舗の壁に、「鳥政」と白抜きの文字が躍る赤い看板が映える。右側に精肉店、左側に焼肉店。㈲鳥政(安藤靖昭社長、狛江市東和泉)は一つで二つの顔を持つユニークな店舗だ。その姿は戦前からの歴史を持つ同店が、時代と町の変遷とともに精肉店として重ねてきた工夫の表れでもあった。
店主より一言
店舗情報
連絡先 |
TEL:03-3489-1115 FAX:03-3489-1209 |
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住所 | 〒201-0014 狛江市東和泉2-2-1 |
店舗PR、お知らせなど
モダンな外観に赤い看板が映える
狛江最古の精肉店
戦前に開業した同店は、精肉店としては狛江市内最古を誇る。祖父・政太郎さんが鶏肉を扱ったのが始まりで、農家が多かった当時はニワトリを集めて処理し、自転車で青山へ出向いて販売していた。屋号は鶏肉の「鳥」と政太郎さんの名前の一字を取ったものだ。
昭和22年、父・郁郎さんが同業者から「これからの時代は肉だ」と勧められ、牛、豚も扱う精肉店に拡大。その言葉通り地域の顧客が増えていき、惣菜も取り入れることでさらに成長を続けた。
そうした中で、10代のころからお店の手伝いをしてきた安藤さん。近所だけでなく成城方面まで御用聞きに走り、お店では職人から時に怒鳴られながらも肉のさばき方を覚えていった。
その間、スーパーが近隣に出来たりしても、妻・泰子さんの明るい笑顔とトークで常連客を増やし、安藤さんの創意工夫の惣菜類が人気を得ていった。しかし、時代の風は次第に当たりが強くなりだし、安藤さんは新たな一手を模索していた。
戦前に開業した同店は、精肉店としては狛江市内最古を誇る。祖父・政太郎さんが鶏肉を扱ったのが始まりで、農家が多かった当時はニワトリを集めて処理し、自転車で青山へ出向いて販売していた。屋号は鶏肉の「鳥」と政太郎さんの名前の一字を取ったものだ。
昭和22年、父・郁郎さんが同業者から「これからの時代は肉だ」と勧められ、牛、豚も扱う精肉店に拡大。その言葉通り地域の顧客が増えていき、惣菜も取り入れることでさらに成長を続けた。
そうした中で、10代のころからお店の手伝いをしてきた安藤さん。近所だけでなく成城方面まで御用聞きに走り、お店では職人から時に怒鳴られながらも肉のさばき方を覚えていった。
その間、スーパーが近隣に出来たりしても、妻・泰子さんの明るい笑顔とトークで常連客を増やし、安藤さんの創意工夫の惣菜類が人気を得ていった。しかし、時代の風は次第に当たりが強くなりだし、安藤さんは新たな一手を模索していた。
長年にわたり地域の常連客に親しまれているお総菜が豊富に
売るには加工して
時代を読みながらお店の行く末を思案していたのが、当時高校生だった貢一さんだ。スーパーの進出や時代の影響で精肉店だけでのかじ取りは難しいことを感じていたため、焼肉店の開業を提案。調味料メーカーが開いた焼肉の専門学校に通い、卒業後はそのメーカーに就職。約10年にわたり関連する店舗で焼肉店のノウハウを学び、家業を継ぐとともに焼肉店の開業を目指した。
安藤さんも焼肉店には前向きだった。近隣の焼肉店で食事をすると、「これなら自分の店の肉を出した方が」と肉の味に満足できなかった。「安くておいしい肉を食べてほしい」との思いから、新しい精肉店の可能性として焼肉店開業の構想を。それが貢一さんの展望と合致。15年前に店舗を改装し、精肉店と併設する形で焼肉店を開業した。
お店の大部分は貢一さんに任せているので、肉をさばくのは貢一さんが中心だ。しかし、精肉店と焼肉店の肉の扱いは、似て非なるもの。精肉店にとっては「もったいない」と思うほど焼肉用にバッサリと切っているのを見ると、安藤さんはつい口を出したくなる。
「見て見ぬふり。それが正解では」と、一歩引いたところから見守っている。
精肉店として上質な肉を仕入れられるので、焼肉店ではいつも牛肉は国産の「5番から5番に近い4番」が自信を持って出せる。豚肉でも黄金豚というブランドを使用し、どのメニューを注文しても美味しさは保証付きだ。品定めをするには「とにかく食べてみる」安藤さんが自らの舌で確かめて納得したものだけなので、「お肉屋さんの焼肉店だから」と肉の質に期待して来店するお客も多い。地域の町内会の人たちや貢一さんの同級生は、長年のお得意さんだ。
「これからの肉屋は精肉を売るだけでなく、自分で加工して食べさせないと」 その一つとして形にした焼肉店。精肉店だから持っている知識を活かし、長年持つ精肉店のルートで仕入れ。家族だけで経営しているので、手ごろな価格で提供できるのも強みだ。積み重ねてきた精肉店の持ち味を生かしながら、新しい道を開き軌道に乗せてきたことで、これからの時代に精肉店を営む若手にも「勧めてみたい」と安藤さんは語る。
時代を読みながらお店の行く末を思案していたのが、当時高校生だった貢一さんだ。スーパーの進出や時代の影響で精肉店だけでのかじ取りは難しいことを感じていたため、焼肉店の開業を提案。調味料メーカーが開いた焼肉の専門学校に通い、卒業後はそのメーカーに就職。約10年にわたり関連する店舗で焼肉店のノウハウを学び、家業を継ぐとともに焼肉店の開業を目指した。
安藤さんも焼肉店には前向きだった。近隣の焼肉店で食事をすると、「これなら自分の店の肉を出した方が」と肉の味に満足できなかった。「安くておいしい肉を食べてほしい」との思いから、新しい精肉店の可能性として焼肉店開業の構想を。それが貢一さんの展望と合致。15年前に店舗を改装し、精肉店と併設する形で焼肉店を開業した。
お店の大部分は貢一さんに任せているので、肉をさばくのは貢一さんが中心だ。しかし、精肉店と焼肉店の肉の扱いは、似て非なるもの。精肉店にとっては「もったいない」と思うほど焼肉用にバッサリと切っているのを見ると、安藤さんはつい口を出したくなる。
「見て見ぬふり。それが正解では」と、一歩引いたところから見守っている。
精肉店として上質な肉を仕入れられるので、焼肉店ではいつも牛肉は国産の「5番から5番に近い4番」が自信を持って出せる。豚肉でも黄金豚というブランドを使用し、どのメニューを注文しても美味しさは保証付きだ。品定めをするには「とにかく食べてみる」安藤さんが自らの舌で確かめて納得したものだけなので、「お肉屋さんの焼肉店だから」と肉の質に期待して来店するお客も多い。地域の町内会の人たちや貢一さんの同級生は、長年のお得意さんだ。
「これからの肉屋は精肉を売るだけでなく、自分で加工して食べさせないと」 その一つとして形にした焼肉店。精肉店だから持っている知識を活かし、長年持つ精肉店のルートで仕入れ。家族だけで経営しているので、手ごろな価格で提供できるのも強みだ。積み重ねてきた精肉店の持ち味を生かしながら、新しい道を開き軌道に乗せてきたことで、これからの時代に精肉店を営む若手にも「勧めてみたい」と安藤さんは語る。
精肉だけでなく加工して肉の楽しみ方の幅を広げている
顧客に恵まれた要因の一つは、惣菜類の充実にあった。長年にわたって続けてきた「加工して食べさせる」工夫でもある。お客のさらなる来店を促すように、近隣の精肉店に先駆けて揚げ物や角煮などのオリジナル商品を始めた。その味は現在でもファンが多く、長年の常連客はもちろん、若い主婦からは子供のお弁当のおかずにと、根強い人気がある。
コロッケやメンチはもちろん、揚げギョーザ、鶏唐揚などの揚げ物は、安定的な売れ行き。豚の角煮やチキンロールは、精肉店だからできる自家製の味で定評がある。その他、タレに漬けた味付け肉も豊富で、お肉を手軽に美味しく食べるサポートをした商品ばかりだ。
◇
「仕事だから大変なことはあるけど、店は面白い」と、貢一さん。お肉を繊細に切る精肉店、ダイナミックに切る焼肉店と、ともに腕を振るう、まさに二刀流。これからの精肉店の新しい時代は、どのように切り開くのか。
【「東京食肉新報」平成30年12月号掲載】
コロッケやメンチはもちろん、揚げギョーザ、鶏唐揚などの揚げ物は、安定的な売れ行き。豚の角煮やチキンロールは、精肉店だからできる自家製の味で定評がある。その他、タレに漬けた味付け肉も豊富で、お肉を手軽に美味しく食べるサポートをした商品ばかりだ。
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「仕事だから大変なことはあるけど、店は面白い」と、貢一さん。お肉を繊細に切る精肉店、ダイナミックに切る焼肉店と、ともに腕を振るう、まさに二刀流。これからの精肉店の新しい時代は、どのように切り開くのか。
【「東京食肉新報」平成30年12月号掲載】
素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ