秋田屋支店
水曜日と土曜日になると、秋田屋支店(原照男社長、葛飾区東堀切)には特売の揚げ物を求めるお客が押し寄せる。ガラス張りで陽の光が注ぐ明るい店内。コンパクトにまとまったレイアウトで、派手な演出などはない。周辺は閑静な住宅街で周辺には商店がまばらにある程度。それでも、お客が引き寄せられるお店の魅力とは。
店主より一言
店舗情報
連絡先 | TEL:03-3601-5892 |
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住所 | 〒124-0004 葛飾区東堀切3-1-3 |
店舗PR、お知らせなど
店内に入るとすぐ買える位置に揚げ物が並ぶ。特売日は行列ができて間に合わないほどに
「特売は、水曜日はとんかつ、土曜日はコロッケ。みんな揚げたてを欲しがるね。だけど、揚げておかないと間に合わない」
他にもポテトコロッケやから揚げ、ハムカツ、アジフライなど、種類は豊富。夕方3時を過ぎると、原さんは包丁を手に仕込みを始める。具材の玉ねぎは全て手切りだ。「今の人は、自分では作らないでしょ。その分、手をかけないと」と妻・るり子さん。夫婦で息の合った連係プレーで、揚げ物の下ごしらえをしてお客を迎える準備を進める。
叔父の手伝いから
現在の店舗から約1キロ離れた隣町の白鳥で、叔父が同店を営んでいたことから約50年前、もともとは全く食肉には縁がなかったが、20歳を過ぎた原さんはお店を手伝うように。業務に慣れてきた25歳頃、亀戸の卸業中心の精肉店へ住み込みで仕事に励んだ。早朝から近隣の料亭や飲食店、時には上野まで配達。賑やかな街で様々に精肉店としてのキャリアを積んだ30歳頃、叔父の勧めで同店を引き継ぐことになった。
一国一城の主となったが、開業からしばらくの間は厳しい売れ行き。近隣にチラシを入れたりはせず、地道にお店を切り盛りし続けた。やがて店舗の大家が経営する食堂に肉の配達の依頼が。それから次第に客足が増え続け、軌道に乗り出した。
さらにお店を盛り上げたのは揚げ物類。「とんかつやコロッケを特売すると良い」という先輩からのアドバイスを実践。肉が良いので美味しさが評判を呼び、品数も増やしていくことでさらに人気が出た。
長年にわたって親しまれてきた店舗は2010年、老朽化により取り壊しで立ち退きが決定。新たな移転先を探していると、空き物件になっている現在の店舗を偶然見つけた。交差点にあって目に付きやすく、信号待ちをしている車からはしっかり認識される。
原さんは気に入って移転を決めたが、反対したのは得意客だった。「近くに良い物件があるから、そこに移転してほしい」と熱望するお客もいたが、自らの目で見て決断することが大事と初志貫徹。現在の地で再開したところ、元の店舗の常連客が引き続き通うように。お店と原さん夫婦への愛着が、いかに深いかを実感する再スタートとなった。
他にもポテトコロッケやから揚げ、ハムカツ、アジフライなど、種類は豊富。夕方3時を過ぎると、原さんは包丁を手に仕込みを始める。具材の玉ねぎは全て手切りだ。「今の人は、自分では作らないでしょ。その分、手をかけないと」と妻・るり子さん。夫婦で息の合った連係プレーで、揚げ物の下ごしらえをしてお客を迎える準備を進める。
叔父の手伝いから
現在の店舗から約1キロ離れた隣町の白鳥で、叔父が同店を営んでいたことから約50年前、もともとは全く食肉には縁がなかったが、20歳を過ぎた原さんはお店を手伝うように。業務に慣れてきた25歳頃、亀戸の卸業中心の精肉店へ住み込みで仕事に励んだ。早朝から近隣の料亭や飲食店、時には上野まで配達。賑やかな街で様々に精肉店としてのキャリアを積んだ30歳頃、叔父の勧めで同店を引き継ぐことになった。
一国一城の主となったが、開業からしばらくの間は厳しい売れ行き。近隣にチラシを入れたりはせず、地道にお店を切り盛りし続けた。やがて店舗の大家が経営する食堂に肉の配達の依頼が。それから次第に客足が増え続け、軌道に乗り出した。
さらにお店を盛り上げたのは揚げ物類。「とんかつやコロッケを特売すると良い」という先輩からのアドバイスを実践。肉が良いので美味しさが評判を呼び、品数も増やしていくことでさらに人気が出た。
長年にわたって親しまれてきた店舗は2010年、老朽化により取り壊しで立ち退きが決定。新たな移転先を探していると、空き物件になっている現在の店舗を偶然見つけた。交差点にあって目に付きやすく、信号待ちをしている車からはしっかり認識される。
原さんは気に入って移転を決めたが、反対したのは得意客だった。「近くに良い物件があるから、そこに移転してほしい」と熱望するお客もいたが、自らの目で見て決断することが大事と初志貫徹。現在の地で再開したところ、元の店舗の常連客が引き続き通うように。お店と原さん夫婦への愛着が、いかに深いかを実感する再スタートとなった。
交差点に建つ店舗
移転先で相乗効果
移転当初は周辺に商店がなく、人通りもまばら。その半年後にオープンした、交差点の向かいのコンビニでは近隣に青果店がないため、野菜も販売している。そのため、精肉と青果がそろう2店に買い物客が増え、思わぬ相乗効果を生んだ。
品揃えでも現代のお客のニーズをつかんだ。きれいに磨かれたショーケースには、黒毛和牛はもちろん、国産の豚肉、鶏肉を用意している。モツはすぐに調理できるようにあらかじめ茹でたものを販売。「ここのモツを食べたら、他のお店のものは食べられない」と語るお客がいるほど好評で、もちろん同店のもつ煮込みは冬の売れ筋だ。さらに、スタミナ漬け、みそ漬けなどに加え、ハンバーグは特に人気がある。時間をかけずに簡単に調理できて、しかもおいしいという手作りによるメニューの数々は、長年の常連客だけでなく若い主婦の心もつかんでいる。
移転当初は周辺に商店がなく、人通りもまばら。その半年後にオープンした、交差点の向かいのコンビニでは近隣に青果店がないため、野菜も販売している。そのため、精肉と青果がそろう2店に買い物客が増え、思わぬ相乗効果を生んだ。
品揃えでも現代のお客のニーズをつかんだ。きれいに磨かれたショーケースには、黒毛和牛はもちろん、国産の豚肉、鶏肉を用意している。モツはすぐに調理できるようにあらかじめ茹でたものを販売。「ここのモツを食べたら、他のお店のものは食べられない」と語るお客がいるほど好評で、もちろん同店のもつ煮込みは冬の売れ筋だ。さらに、スタミナ漬け、みそ漬けなどに加え、ハンバーグは特に人気がある。時間をかけずに簡単に調理できて、しかもおいしいという手作りによるメニューの数々は、長年の常連客だけでなく若い主婦の心もつかんでいる。
上質な国産の精肉のほか味噌漬けなど簡単調理の商品も人気
地域活性のために
交差点で信号待ちをしているバスの乗客が「ここのお肉が美味しい」と車内で会話。近所の小学校の先生が訪れ、「子供たちが美味しいと噂をしている」と写真撮影を。地域には口コミで評判が浸透している。
同店は交差点を挟んでコンビニ、うどん店、お好み焼き店が向かい合う。地域活性のために、「競合するより、何でもお店があれば」と語る原さん。周辺の精肉店は少なくなり、食肉業界も厳しい環境だが、「若い人が続けてくれれば、結構いい商売になるのでは」と、展望する。
地域とお肉をつなげる交差点。信号機よりも目を引く赤い看板で、今日も道行く人の衆目を集める。
【「東京食肉新報」2020年(令和2年)6月号掲載】
交差点で信号待ちをしているバスの乗客が「ここのお肉が美味しい」と車内で会話。近所の小学校の先生が訪れ、「子供たちが美味しいと噂をしている」と写真撮影を。地域には口コミで評判が浸透している。
同店は交差点を挟んでコンビニ、うどん店、お好み焼き店が向かい合う。地域活性のために、「競合するより、何でもお店があれば」と語る原さん。周辺の精肉店は少なくなり、食肉業界も厳しい環境だが、「若い人が続けてくれれば、結構いい商売になるのでは」と、展望する。
地域とお肉をつなげる交差点。信号機よりも目を引く赤い看板で、今日も道行く人の衆目を集める。
【「東京食肉新報」2020年(令和2年)6月号掲載】
素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ