(株)吉澤商店築地店
吉澤さん(前列右から2人目)を中心に従業員の活気でお店はいつも賑やかだ
市場が豊洲に移転しても、コロナ禍で観光客が減少しても、築地場外市場は活気がある。店頭での掛け声、買い物客の往来、所狭しと並ぶ色とりどりの商品。そうした賑やかさの中で、さらに若さによるエネルギーを発しているのが㈱吉澤商店築地店(中央区築地)だ。11人の従業員の平均年齢は30代で、吉澤直樹社長が兄貴分のように陣頭指揮を執る店舗にはフレッシュな光彩で満ち溢れている。
市場が豊洲に移転しても、コロナ禍で観光客が減少しても、築地場外市場は活気がある。店頭での掛け声、買い物客の往来、所狭しと並ぶ色とりどりの商品。そうした賑やかさの中で、さらに若さによるエネルギーを発しているのが㈱吉澤商店築地店(中央区築地)だ。11人の従業員の平均年齢は30代で、吉澤直樹社長が兄貴分のように陣頭指揮を執る店舗にはフレッシュな光彩で満ち溢れている。
店主より一言
店舗情報
営業時間 | 6:00~13:00(定休日:日・祝・築地市場休場日) |
---|---|
連絡先 | TEL:03-3541-4656 |
住所 | 〒104-0045 中央区築地4-13-15 |
URL | http://www.ginza-yoshizawa.com/ |
SNS |
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店舗PR、お知らせなど

若手が活躍する店舗奥の作業場は、床を抗菌ユークリートにするなど、衛生管理も万全に
平均年齢は30歳代
昭和の雰囲気を色濃く残す年季の入った「吉澤食品ビル」。大正13年に銀座1丁目で精肉店の問屋として開業した㈱吉澤畜産が分社化して、昭和30年代にこのビルで店舗を構えた。東京食肉市場に拠点を構える同社が仕入れた食肉は、ここ「築地加工センター」でさばかれ、店頭に並ぶ。
「外国からの観光客に向けて、その場で牛肉を焼いて食べられるよう、グリルを置いたらとやってみたんです」と、弾けるような声で語る猪狩康輔店長。今はコロナ禍の影響で毎週土曜日のみだが、英語と中国語も表記した店頭の看板を目印に、多くの外国人観光客が和牛を目当てに来店する。店頭で購入したステーキ肉を、その場で焼く様子を撮影する観光客。こうした映像が動画サイトで紹介された影響で、海外でもファンが増えている。若い発想力によるヒット作だ。
店舗裏では包丁を手に、次々と精肉をパックに詰めていく従業員。大学のサークルが縁でアルバイトからそのまま社員になったり、他県の精肉店の後継者が修行のために入社したりと、やはり若手が多い。
かつて英語教師を目指していた渡邊麻莉夏さんは肉を食べるのが好きで、熟成肉のステーキ店でアルバイト。そこで肉掃除の面白さに目覚め、さらにたくさん肉をさばきたいと同社へ入社した異色の経歴を持つ。
長年の歴史と新しさが、店舗には同居している。
昭和の雰囲気を色濃く残す年季の入った「吉澤食品ビル」。大正13年に銀座1丁目で精肉店の問屋として開業した㈱吉澤畜産が分社化して、昭和30年代にこのビルで店舗を構えた。東京食肉市場に拠点を構える同社が仕入れた食肉は、ここ「築地加工センター」でさばかれ、店頭に並ぶ。
「外国からの観光客に向けて、その場で牛肉を焼いて食べられるよう、グリルを置いたらとやってみたんです」と、弾けるような声で語る猪狩康輔店長。今はコロナ禍の影響で毎週土曜日のみだが、英語と中国語も表記した店頭の看板を目印に、多くの外国人観光客が和牛を目当てに来店する。店頭で購入したステーキ肉を、その場で焼く様子を撮影する観光客。こうした映像が動画サイトで紹介された影響で、海外でもファンが増えている。若い発想力によるヒット作だ。
店舗裏では包丁を手に、次々と精肉をパックに詰めていく従業員。大学のサークルが縁でアルバイトからそのまま社員になったり、他県の精肉店の後継者が修行のために入社したりと、やはり若手が多い。
かつて英語教師を目指していた渡邊麻莉夏さんは肉を食べるのが好きで、熟成肉のステーキ店でアルバイト。そこで肉掃除の面白さに目覚め、さらにたくさん肉をさばきたいと同社へ入社した異色の経歴を持つ。
長年の歴史と新しさが、店舗には同居している。

店頭の冷蔵庫にパック詰めの牛肉が並ぶ。コロッケやメンチは場外市場で働く人たちにも人気
和牛は日本の文化
観光客の来店が多いイメージだが、一般消費者も近隣から次々と訪れては、店頭の冷蔵庫に手を伸ばし、牛肉のパックを手にする。並んでいる牛肉は前沢、いわて、奥州、山形、佐賀、鹿児島など、産地はいろいろ。ショーケースには看板メニューの松阪牛がきれいなサシとツヤを備えながら鎮座する。
同店で並ぶ牛肉は、東京食肉市場で仕入れた黒毛和牛のメスだけ。生産者、月齢、脂質、肉質、サシの入り方を吟味し、牛の体形と大きさにも気を配る。市場内や取引先のスーパーから上質な牛の情報を聞けば、現地を訪問して吟味。こうした積み重ねで、幅広い産地の牛肉をそろえられる。
卸業も展開する同社にとって、同店はアンテナショップの意味合いも持つ。様々に選び抜いた品質と、幅広い品ぞろえの精肉が並ぶ店舗は、商品力を凝縮した空間だ。そのため、評判を頼りに来る飲食店は数多い。料理長のふるさとの郷土料理のために、当地の牛肉を用意することも。こうした展開で、ミシュランで星を獲得した料亭や、高級旅館、地域一番店など、ハイレベルなニーズに応えている。
「生産者が肥育したものを、しっかり伝えていくのが役目。黒毛和牛は日本の文化だし、品質を守っていくのは、生産者と飲食店へのリスペクトです」と、吉澤さんは使命感を語る。
観光客の来店が多いイメージだが、一般消費者も近隣から次々と訪れては、店頭の冷蔵庫に手を伸ばし、牛肉のパックを手にする。並んでいる牛肉は前沢、いわて、奥州、山形、佐賀、鹿児島など、産地はいろいろ。ショーケースには看板メニューの松阪牛がきれいなサシとツヤを備えながら鎮座する。
同店で並ぶ牛肉は、東京食肉市場で仕入れた黒毛和牛のメスだけ。生産者、月齢、脂質、肉質、サシの入り方を吟味し、牛の体形と大きさにも気を配る。市場内や取引先のスーパーから上質な牛の情報を聞けば、現地を訪問して吟味。こうした積み重ねで、幅広い産地の牛肉をそろえられる。
卸業も展開する同社にとって、同店はアンテナショップの意味合いも持つ。様々に選び抜いた品質と、幅広い品ぞろえの精肉が並ぶ店舗は、商品力を凝縮した空間だ。そのため、評判を頼りに来る飲食店は数多い。料理長のふるさとの郷土料理のために、当地の牛肉を用意することも。こうした展開で、ミシュランで星を獲得した料亭や、高級旅館、地域一番店など、ハイレベルなニーズに応えている。
「生産者が肥育したものを、しっかり伝えていくのが役目。黒毛和牛は日本の文化だし、品質を守っていくのは、生産者と飲食店へのリスペクトです」と、吉澤さんは使命感を語る。

ショーケースには松阪牛が鎮座する中、上質な黒毛和牛が並ぶ
困難に立ち向かう
大学を卒業した吉澤さんが、業界への第一歩を記したのは神戸だった。㈱ゼンチク(現・スターゼン㈱)で営業に配属となり、加古川市の地域を担当。見知らぬ地で新しい刺激を受けながら仕事に励んでいた1年目の1995年1月、阪神・淡路大震災に遭遇した。神戸をはじめとする周辺地域が甚大な被害を受ける中、神戸の問屋が物資を運べなくなるなど大きな影響を受けた。
意気消沈としていた社内も、やがて地域と一体となりながら「みんなで神戸を取り戻そう」と奮起。復興への活動が賑やかさを増していく中で社員全員が前向きになり、吉澤さんも仕事に、復興にと取り組んだ。
4年の修行を積んで東京に戻り、小川畜産食品㈱で食肉のカットの職人を1年。その後、家業に入る。その間から近年までも、O―157、BSEと、食や牛肉の安心・安全に危機感が広がる出来事が。そして、2011年の東日本大震災。まさに、災難と闘いながらの歩みだった。
「今は新型コロナで、一番大変です。祖父は、戦争中はどうしていたのかと考えますが、聞かされていないのでわかりません。きっとDNAに刻まれているかも」
業界だけでなく、日本中、世界中が困難な時代。解決の方法は手探りだが、「従業員一人ひとりが、お客様に良いものを届けたいとの気持ちがあれば、必然的にお店は良くなる」と希望を託す。
幼少から総合格闘技で鍛えた吉澤さん。お店や従業員を守り、数々の災害や流行病に立ち向かってきた、まさに「闘うお肉屋さん」である。
【「東京食肉新報」2020年(令和2年)7月号掲載】
大学を卒業した吉澤さんが、業界への第一歩を記したのは神戸だった。㈱ゼンチク(現・スターゼン㈱)で営業に配属となり、加古川市の地域を担当。見知らぬ地で新しい刺激を受けながら仕事に励んでいた1年目の1995年1月、阪神・淡路大震災に遭遇した。神戸をはじめとする周辺地域が甚大な被害を受ける中、神戸の問屋が物資を運べなくなるなど大きな影響を受けた。
意気消沈としていた社内も、やがて地域と一体となりながら「みんなで神戸を取り戻そう」と奮起。復興への活動が賑やかさを増していく中で社員全員が前向きになり、吉澤さんも仕事に、復興にと取り組んだ。
4年の修行を積んで東京に戻り、小川畜産食品㈱で食肉のカットの職人を1年。その後、家業に入る。その間から近年までも、O―157、BSEと、食や牛肉の安心・安全に危機感が広がる出来事が。そして、2011年の東日本大震災。まさに、災難と闘いながらの歩みだった。
「今は新型コロナで、一番大変です。祖父は、戦争中はどうしていたのかと考えますが、聞かされていないのでわかりません。きっとDNAに刻まれているかも」
業界だけでなく、日本中、世界中が困難な時代。解決の方法は手探りだが、「従業員一人ひとりが、お客様に良いものを届けたいとの気持ちがあれば、必然的にお店は良くなる」と希望を託す。
幼少から総合格闘技で鍛えた吉澤さん。お店や従業員を守り、数々の災害や流行病に立ち向かってきた、まさに「闘うお肉屋さん」である。
【「東京食肉新報」2020年(令和2年)7月号掲載】


素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ