2021/4/15
惣菜ふか掘り 富士ミート㈱
「飽きさせない」を続けて200種類
常連客のリクエストに応えて準備しているローストビーフを手にする柴田藤吉店長(左)と組合広報部の深谷隆浩部長
コロッケなどの揚げ物に、焼豚、もつ煮込みなど、お肉屋さんの惣菜は上質なお肉を使っているので、間違いなく美味しい。売り上げの柱になっていることも多く、看板メニューがあるとテレビで紹介されたり、目当てに来るお客で行列ができたり。それだけに、「他のお店は、どうしているのか」と気になるところ。その思いを当組合広報部の深谷隆浩部長(多摩西・ふかや精肉店)が代表して、話題の惣菜を深掘りする新コーナー。1回目は、金・土曜日の週2日だけの営業にもかかわらず、客足が絶えない富士ミート㈱(大串有博社長、立川市砂川町)から。
コロッケなどの揚げ物に、焼豚、もつ煮込みなど、お肉屋さんの惣菜は上質なお肉を使っているので、間違いなく美味しい。売り上げの柱になっていることも多く、看板メニューがあるとテレビで紹介されたり、目当てに来るお客で行列ができたり。それだけに、「他のお店は、どうしているのか」と気になるところ。その思いを当組合広報部の深谷隆浩部長(多摩西・ふかや精肉店)が代表して、話題の惣菜を深掘りする新コーナー。1回目は、金・土曜日の週2日だけの営業にもかかわらず、客足が絶えない富士ミート㈱(大串有博社長、立川市砂川町)から。
普段はシャッターが閉まっているが、中では金・土曜日の販売に備えて作業が進められている
住宅街の幹線道路に面して、シャッターが閉まった小さな店舗。知らなければ、精肉店であることも、営業していることも気付かない。しかし、金・土曜日になると、沈黙を破るかのように豊富な惣菜がズラリと並び、お客が方々から押し寄せる。
金曜日に向けた準備は月曜日から始まる。野菜を切ったり、煮物を煮込んだり。材料を集めるだけでも大変な作業だ。その指揮を執るのは小売部店長の柴田藤吉さん。この道45年のベテランで、惣菜メニューのレシピは200以上にも及ぶ。
深谷「居酒屋さんを超えるメニューの多さですね。飲食店も出せるのでは」
柴田「お客さんからのリクエストに応え、通常で作るものに、月替わり、週替わり、年1~2回作るものを合わせたら、こんなになりました。自分でもびっくりですよ。お客さんを飽きさせないよう、目新しいもの、流行っているものを意識しています。注目されている惣菜があれば、作ってみて、お店に出してきました。飲食店の許可もありますが、そこまでは…」
中でも一押しは牛たたき。営業する2日間だけで16㎏が完売する。和牛のモモ系を使い、足りない時はランプやイチボも出してしまうほどの人気商品だ。
深谷「そんな部位を出したら、割合わなくなりませんか」
柴田「コロナが流行し始めたころは牛肉の価格が下がったので楽に集まったけど、今は高くなったから集めるのが大変。お客さんへは、なるべく値段を抑えて出したいですね。この量を焼くのも大変ですよ」
住宅街の幹線道路に面して、シャッターが閉まった小さな店舗。知らなければ、精肉店であることも、営業していることも気付かない。しかし、金・土曜日になると、沈黙を破るかのように豊富な惣菜がズラリと並び、お客が方々から押し寄せる。
金曜日に向けた準備は月曜日から始まる。野菜を切ったり、煮物を煮込んだり。材料を集めるだけでも大変な作業だ。その指揮を執るのは小売部店長の柴田藤吉さん。この道45年のベテランで、惣菜メニューのレシピは200以上にも及ぶ。
深谷「居酒屋さんを超えるメニューの多さですね。飲食店も出せるのでは」
柴田「お客さんからのリクエストに応え、通常で作るものに、月替わり、週替わり、年1~2回作るものを合わせたら、こんなになりました。自分でもびっくりですよ。お客さんを飽きさせないよう、目新しいもの、流行っているものを意識しています。注目されている惣菜があれば、作ってみて、お店に出してきました。飲食店の許可もありますが、そこまでは…」
中でも一押しは牛たたき。営業する2日間だけで16㎏が完売する。和牛のモモ系を使い、足りない時はランプやイチボも出してしまうほどの人気商品だ。
深谷「そんな部位を出したら、割合わなくなりませんか」
柴田「コロナが流行し始めたころは牛肉の価格が下がったので楽に集まったけど、今は高くなったから集めるのが大変。お客さんへは、なるべく値段を抑えて出したいですね。この量を焼くのも大変ですよ」
販売前日には下ごしらえや仕上げを待つ惣菜類で店内がいっぱいに
もう一つの売れ筋が、モツやスジの煮込み。一番大きい寸胴鍋2つで作っても完売する。月1回の生モツ煮込みは40㎏。牛スジも同時に作り、煮込み料理だけで100㎏も売れていくほどだ。味は言うまでもなく、具だくさんの見た目と、じっくり煮込んだ香りでも、お客の胃袋をつかんでいる。
深谷「絶対美味しいと思わせる煮込みですね。また、たくさん出ますね」
柴田「最近はコロナの影響で居酒屋からの注文が減って和牛の小腸など、生モツが回らなくなったため、こちらに入るようになりました。また、豚のスジは油屋に出していたのを、何かできないかと考えて煮込んでみました。オリジナル料理として人気が出て、しかもそれほど長い時間煮込まないで作れるんです。2日で10㎏も売れて、今では足りないくらい。捨てていたものが売れるのは大きいです」
もう一つの売れ筋が、モツやスジの煮込み。一番大きい寸胴鍋2つで作っても完売する。月1回の生モツ煮込みは40㎏。牛スジも同時に作り、煮込み料理だけで100㎏も売れていくほどだ。味は言うまでもなく、具だくさんの見た目と、じっくり煮込んだ香りでも、お客の胃袋をつかんでいる。
深谷「絶対美味しいと思わせる煮込みですね。また、たくさん出ますね」
柴田「最近はコロナの影響で居酒屋からの注文が減って和牛の小腸など、生モツが回らなくなったため、こちらに入るようになりました。また、豚のスジは油屋に出していたのを、何かできないかと考えて煮込んでみました。オリジナル料理として人気が出て、しかもそれほど長い時間煮込まないで作れるんです。2日で10㎏も売れて、今では足りないくらい。捨てていたものが売れるのは大きいです」
精肉もお得感のある内容で豊富にそろえる
もちろん、精肉も好評だ。週ごとに牛、豚、鶏、惣菜の特売をして、その時の商品が良く売れる。その中で、惣菜の売り上げは全体の3分の1を占め、大きな柱となっている。お客の目的は惣菜でも、精肉が目に付けば一緒に購入が促せる相乗効果がある。また、問屋ならではの鮮度と味の良さも、購買意欲をかき立たせるようだ。
深谷「お客さんが精肉店で買うと、同じ国産肉でもスーパーより美味しいと言ってくれます。こちらのお店は特に豚肉が評判です。やはり、鮮度が良ければ美味しいですね」
柴田「ブランドにこだわらず、良いと思った豚を売っています。以前にブランド肉で香りやら何やらが流行ったけど、質が安定しませんでした。市場で豚を買ったら、その中で使える質の良いものを選別し、お店に出せるのは問屋の強みです。だから豚肉はどこにも負けません。
特にリブはここでしか切っていないもので、美味しいと言ってくれます。良く売れるため、それを見込んで仕入れの流れを作っており、足りなくなることはないです。肉が美味しいから、惣菜も美味しくなるというのはあると思います」
もちろん、精肉も好評だ。週ごとに牛、豚、鶏、惣菜の特売をして、その時の商品が良く売れる。その中で、惣菜の売り上げは全体の3分の1を占め、大きな柱となっている。お客の目的は惣菜でも、精肉が目に付けば一緒に購入が促せる相乗効果がある。また、問屋ならではの鮮度と味の良さも、購買意欲をかき立たせるようだ。
深谷「お客さんが精肉店で買うと、同じ国産肉でもスーパーより美味しいと言ってくれます。こちらのお店は特に豚肉が評判です。やはり、鮮度が良ければ美味しいですね」
柴田「ブランドにこだわらず、良いと思った豚を売っています。以前にブランド肉で香りやら何やらが流行ったけど、質が安定しませんでした。市場で豚を買ったら、その中で使える質の良いものを選別し、お店に出せるのは問屋の強みです。だから豚肉はどこにも負けません。
特にリブはここでしか切っていないもので、美味しいと言ってくれます。良く売れるため、それを見込んで仕入れの流れを作っており、足りなくなることはないです。肉が美味しいから、惣菜も美味しくなるというのはあると思います」
外出自粛からヒットしたミートソース。かけるだけで簡単にパスタが
元は豚肉の問屋だった同社は、周辺の同業の問屋が小売りを始めた流れで40年前から「問屋直販」の言葉を掲げて小売りを開始。やがて「ジャンボ市」などのセールが流行し、お客の増加を捉えて惣菜も販売するようになった。精肉だけで飽きさせないように工夫した惣菜の効果は絶大で、焼豚から始まったメニューは次第に増え続ける。同時期に惣菜を始めた同業の問屋で、継続しているのは同社だけ。現在は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛からニーズをつかんでいるようだ。
「ヒット商品あります。ミートソースです」と、柴田さんは奥からパック詰めのミートソースを披露。合い挽き肉を使いオリジナルレシピで作ったもので、茹でたパスタにかけるだけ。2日間で20㎏も売れるという。
何より、柴田さん自身がメニュー作りを楽しんでいるかのよう。お客を飽きさせない惣菜の数々は、長年にわたり多くのお客を楽しませてきた数でもある。
元は豚肉の問屋だった同社は、周辺の同業の問屋が小売りを始めた流れで40年前から「問屋直販」の言葉を掲げて小売りを開始。やがて「ジャンボ市」などのセールが流行し、お客の増加を捉えて惣菜も販売するようになった。精肉だけで飽きさせないように工夫した惣菜の効果は絶大で、焼豚から始まったメニューは次第に増え続ける。同時期に惣菜を始めた同業の問屋で、継続しているのは同社だけ。現在は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛からニーズをつかんでいるようだ。
「ヒット商品あります。ミートソースです」と、柴田さんは奥からパック詰めのミートソースを披露。合い挽き肉を使いオリジナルレシピで作ったもので、茹でたパスタにかけるだけ。2日間で20㎏も売れるという。
何より、柴田さん自身がメニュー作りを楽しんでいるかのよう。お客を飽きさせない惣菜の数々は、長年にわたり多くのお客を楽しませてきた数でもある。


素材の味が生きた塩・豚肉じゃが
シンプルな塩の味付けで素材の味を楽しめる肉じゃが
牛肉たっぷり「ハッシュドビーフ」
簡単なのに、牛肉もご馳走感もたっぷり
ローストビーフ・サラダ
見た目が華やかでヘルシー感もあるのにご飯にも合うローストビーフ
骨付き豚バラのキムチ鍋
豚肉の骨から出汁が出てコクと旨味がじゃがいもに染み込むキムチ風の肉じゃが
野菜たっぷりのハンバーグシチュー
ハンバーグだけでなく、たっぷりな野菜も楽しめる煮込みシチュー
ローストチキン
クリスマスの定番。ひと手間かけて丸鶏を美味しく
ビーフかつめし
ビーフの薫り高いカツにデミグラスソースが決め手
チーズ入り鶏むね肉唐揚げ
むね肉にチーズを加えて旨味を追加したから揚げ