丸正食肉チェーンストア柴又店
「いらっしゃいませ~」。映画「男はつらいよ」で知られる柴又帝釈天からほど近い、住宅と商店が入り混じる地域の一角にある肉の丸正柴又店(藤原富作社長、葛飾区柴又)の店内に、藤原さんの張りと伸びのある心地よい声が響く。お客との会話も弾み、雰囲気がパッと明るくなる。上質な精肉と豊富な惣菜類をそろえているのはもちろんだが、繁盛の秘密は藤原さんの声と店舗ビルの2~3階にあった。
店主より一言
店舗情報
連絡先 | TEL:03-3627-4548 |
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住所 | 〒125-0052 葛飾区柴又1-4-16 |
URL | https://marusyou-keiseitakasago.owst.jp/ |
店舗PR、お知らせなど

色彩豊かな惣菜類は20種類以上。お弁当もある
ショーケースには色鮮やかな精肉がズラリと並ぶ。牛豚鶏とそろえられ、品質を重視してすべて国産だ。牛肉はとちぎ和牛を中心に、その時の上質なものを選び、通常価格の半額で提供されているステーキ用牛肉が目を引く。豚肉は茨城産で、藤原さんが自信を持って勧められる美味しさだ。
こうしたお肉から作られた惣菜類も目を引く。コロッケやメンチカツはもちろん、一口カツ、肉団子、焼き豚、生姜焼き、ハンバーグ、酢豚など、お肉の美味しさを引き出したメニューが。また、ポテトサラダ、ぜんまい煮、てんぷらと、晩ご飯のおかずを賑わす一品も。中でも春雨サラダは大ヒット商品でもある。
「ちょこちょこと、色々作っているから」と、妻・りつさん。店頭には毎日20~30種の惣菜が並び、メニューは季節やお客の反応を意識しながら二人で考案。客層は年配者が多いので、すぐに食べられる料理が好まれるようだ。
こうしたお肉から作られた惣菜類も目を引く。コロッケやメンチカツはもちろん、一口カツ、肉団子、焼き豚、生姜焼き、ハンバーグ、酢豚など、お肉の美味しさを引き出したメニューが。また、ポテトサラダ、ぜんまい煮、てんぷらと、晩ご飯のおかずを賑わす一品も。中でも春雨サラダは大ヒット商品でもある。
「ちょこちょこと、色々作っているから」と、妻・りつさん。店頭には毎日20~30種の惣菜が並び、メニューは季節やお客の反応を意識しながら二人で考案。客層は年配者が多いので、すぐに食べられる料理が好まれるようだ。

1階に精肉店、2・3階は宴会場と民謡教室に
活路を開いた歌声
現在の秋田県湯沢市から東京を訪れた15歳の藤原さんは、縁あって葛飾区お花茶屋の丸正本店に誘われ、中学校を卒業すると修行が始まった。朝5時に起きると自動車の排気ガスで黒くなりながら、駒込の肉まんのメーカーへ挽肉を納めるなど、お店の仕事は夜遅くまで続いた。
仕事が終わった後は、空手の練習へ。「初段を取らないと独立させない」と柔道2段の社長は、従業員に空手を習わせた。周りの従業員より早く黒帯2段となった藤原さんは、仕事が終わった後に近所の子供たちへ指導を。さらに、中学時代から音楽が大好きで、仕事仲間でバンドも組んだ。民謡の腕を磨き、精神修行として尺八も習う。精肉店の激務の中でも自身の研鑚を重ねる日々は心身ともに藤原さんを鍛え、「根性は人に負けない」と様々なものに取り組んでいく原動力となった。
20歳から千葉県船橋市の支店を任され、23歳でそのまま独立。順調に業績を上げていたが、昭和56年に縁あって現在の柴又の店舗へ移転。しかし、売り上げは振るわず、29歳の新たなチャレンジに逆風が。活路を開いたのは、藤原さんの歌声と店舗の2階だった。
2階をすき焼きとしゃぶしゃぶを提供する宴会場に改装。精肉店としてだけでなく、民謡と尺八の特技を生かしカラオケも完備した。上質な牛肉で提供される料理は評判を呼び、民謡と尺八の仲間をはじめ地域の団体から忘年会、新年会の予約でいっぱいに。肉の美味しさを求めて料理を楽しみに来るお客も増えていき、当時住まいだった3階も宴会場へ。売り上げはさらに上昇した。
客層の裾野を広げたのが、民謡とカラオケの教室だ。宴会場に設置したカラオケで、地域の人たちを中心に歌を指導。昼と夜の1日2回開催で、生徒は現在100人以上に。お店で買い物をしていく生徒の中には、お店のお肉を食べて元気に歌う90歳の生徒もいるなど、お肉と歌を通じて多くの人たちに楽しみと生きがいを与える場になっている。
「肉屋も歌も宴会場も、すべて関連しているから、どれもやめられない」と、精肉店から開いた幅広い活路への情熱を語る声に力がこもる。
現在の秋田県湯沢市から東京を訪れた15歳の藤原さんは、縁あって葛飾区お花茶屋の丸正本店に誘われ、中学校を卒業すると修行が始まった。朝5時に起きると自動車の排気ガスで黒くなりながら、駒込の肉まんのメーカーへ挽肉を納めるなど、お店の仕事は夜遅くまで続いた。
仕事が終わった後は、空手の練習へ。「初段を取らないと独立させない」と柔道2段の社長は、従業員に空手を習わせた。周りの従業員より早く黒帯2段となった藤原さんは、仕事が終わった後に近所の子供たちへ指導を。さらに、中学時代から音楽が大好きで、仕事仲間でバンドも組んだ。民謡の腕を磨き、精神修行として尺八も習う。精肉店の激務の中でも自身の研鑚を重ねる日々は心身ともに藤原さんを鍛え、「根性は人に負けない」と様々なものに取り組んでいく原動力となった。
20歳から千葉県船橋市の支店を任され、23歳でそのまま独立。順調に業績を上げていたが、昭和56年に縁あって現在の柴又の店舗へ移転。しかし、売り上げは振るわず、29歳の新たなチャレンジに逆風が。活路を開いたのは、藤原さんの歌声と店舗の2階だった。
2階をすき焼きとしゃぶしゃぶを提供する宴会場に改装。精肉店としてだけでなく、民謡と尺八の特技を生かしカラオケも完備した。上質な牛肉で提供される料理は評判を呼び、民謡と尺八の仲間をはじめ地域の団体から忘年会、新年会の予約でいっぱいに。肉の美味しさを求めて料理を楽しみに来るお客も増えていき、当時住まいだった3階も宴会場へ。売り上げはさらに上昇した。
客層の裾野を広げたのが、民謡とカラオケの教室だ。宴会場に設置したカラオケで、地域の人たちを中心に歌を指導。昼と夜の1日2回開催で、生徒は現在100人以上に。お店で買い物をしていく生徒の中には、お店のお肉を食べて元気に歌う90歳の生徒もいるなど、お肉と歌を通じて多くの人たちに楽しみと生きがいを与える場になっている。
「肉屋も歌も宴会場も、すべて関連しているから、どれもやめられない」と、精肉店から開いた幅広い活路への情熱を語る声に力がこもる。

2階宴会場には民謡やカラオケの大会で獲得した数々のトロフィーが
コツコツ努力のみ
その2階の宴会場には、数多くのトロフィーがズラリと並ぶ。のど自慢や民謡大会で獲得したもので「最優秀」「グランプリ」「1位」などの文字が刻まれている。その実力から民謡では「鈴木錦風」の芸名を持ち、日本民謡協会の認定尺八師範教授と葛飾区民謡連盟会長を務める。最近でも尺八奏者としてテレビに出演したばかりだ。また、演歌歌手としても本名でデビューし、店頭には持ち歌「北海男船」「夢見酒」のポスターとCDが飾られており、歌は全国のカラオケ店でも歌える。
激務の合間を縫って、民謡と尺八の実力を開花させていった藤原さんに上達法を聞いてみれば、「コツコツと努力しかない。それを辛いか楽しいかと思うかの違い」と、精肉店や民謡だけでなく、あらゆることに通じるアドバイスが。
「辛くてもコツコツやっている自分が楽しい」藤原さんには、あらゆることが自身と周りの人を元気にする歌声に変わるのかもしれない。今日もお店で歌声が響く。
【「東京食肉新報」2019年(令和元年)10月号掲載】
その2階の宴会場には、数多くのトロフィーがズラリと並ぶ。のど自慢や民謡大会で獲得したもので「最優秀」「グランプリ」「1位」などの文字が刻まれている。その実力から民謡では「鈴木錦風」の芸名を持ち、日本民謡協会の認定尺八師範教授と葛飾区民謡連盟会長を務める。最近でも尺八奏者としてテレビに出演したばかりだ。また、演歌歌手としても本名でデビューし、店頭には持ち歌「北海男船」「夢見酒」のポスターとCDが飾られており、歌は全国のカラオケ店でも歌える。
激務の合間を縫って、民謡と尺八の実力を開花させていった藤原さんに上達法を聞いてみれば、「コツコツと努力しかない。それを辛いか楽しいかと思うかの違い」と、精肉店や民謡だけでなく、あらゆることに通じるアドバイスが。
「辛くてもコツコツやっている自分が楽しい」藤原さんには、あらゆることが自身と周りの人を元気にする歌声に変わるのかもしれない。今日もお店で歌声が響く。
【「東京食肉新報」2019年(令和元年)10月号掲載】


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